ぼくたちと駐在さんの
700日戦争


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12章-第1話 ケーキ屋メルヘン
2007/06/03 02:06

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ぼくたちと駐在さんの700日戦争

12章

走れ!チャーリー号!


[第1話]ケーキ屋メルヘン




「殺人ナナハンって知ってるか?」

昼食時、おおよそメシのおかずにもならないようなことを、チャーリーが言い出しました。
チャーリーはひどく億病者なのですが、それだけにこういう話が好きでした。

「なにそれ?」
「あ。オレ知ってる〜〜〜」。
「有名じゃん。それ」。

殺人750。

これは当時、僕たちの地方で話題になったいわゆる都市伝説で、ホンダのCB750なのですが、これに乗ったオーナーは必ず事故で亡くなっているという曰く付きのバイクのお話。
これが自転車とかであればさほどに怖くもないのですが、なにしろ750。バイク好きな高校生でなくとも、かなり浸透していた噂話でした。

「なんかな。それ乗ったヤツ、すでに4人死んでるんだって。いずれも事故で」。

「ふ〜〜〜ん」。

母体が心霊研究会である僕たちは、こういう話に実に食いつきやすいわけです。

「しかもな。そのCB750は、ほとんど無傷だってのが驚きだろ?」

「うん。驚きだ。都合いいやっちゃなぁ」。
「なんで事故るかな」。

「うん。なんかな。噂じゃ、なんか乗ってると前に一台おんなじようなバイクが現れてな・・・」。

「うんうん」。

「こっちこっち、って手招きするんだってよ。で、なんか不思議にひかれてな・・・」

「うんうん」。

「ついてっちまうらしいんだ。そうるとな・・・」。






「うわぁあああああああ」





チャーリーは脅したつもりでしたが、なにしろ心霊研究会。
こういうパターンはすでに折り込み済み。

「うん。わかった。チャーリー。それでさ、その話は誰が伝えたわけ?」

「え?誰って・・・」

「みんな死んでんだろ?」

「あ・・・・・・」。

説得力にかけます。

「だ、だってそういう噂なんだからよっ!」

「わかったわかった。チャーリー、そうムキになんなって」。
「うん。チ○コ縮むぞ」。
「そうそう。いよいよなくなっちゃうぞ」。
「そうそう。マタにはさまなくっても”おんなのこ〜〜〜”ってできちゃうぞ」。

「う、うるせぇ〜〜〜っ!」


しかし。

この話をした記憶も鮮明なうちに、この殺人750がY市のバイク屋で実際に店頭に並んだという情報が入り、僕たちはざわめきたちました。(←実話)

「なーーー!ほんとだったろ!?」

チャーリー。当然得意満面。

「ほんとに並んでんのかな?」
「ああ。とんでもなく安いらしいぜ」。
「とんでもなくってどれくらい?」
「10万切ってるって話だ」。

「おおお!買おうかな!」
「やめとけよ。孝昭死ぬの見たくないから」。

「え。750乗って死ぬなら本望だっ!」

おー!それでこそバイク乗り!

が、西条くん
「え。俺は女乗って死にてー」。

おー!それでこそ女乗・・・り?

「あ。やっぱ俺もそっちのほうがいいや」。
そんなもんだ。

「あー、どっかに落ちてないかな。殺人女」。

「いや。西条。それは実際にいると思うぞ・・・」。

「あ。そっか・・・」。

そっかじゃないよ・・・。

「乗ると死ぬのかな?」

それもちがう。


しかし殺人750が店頭に並んだ、という噂は、その後もあちこちから入って来て、とうとう店名まで明らかになりました。

 これはとりあえず見に行くしかない。

当然です。心霊研究会。


というわけで「殺人750見学ツアー企画」決定。
しかもY市までの道のりの途中には、噂のケーキ屋「メルヘン」もありました。
あの「ケーキ屋ケンちゃん」が普段どんなふうにケーキを作って売っているのかは、ある意味「殺人750」以上に興味をそそることでしたので、こちらもツアーコースに加え、ゴールデン企画です。


ジェミーは、企画の度に一番はしゃぐタイプでしたが、今回も例外ではありません。

「先輩〜!楽しみですね〜〜!殺人ケーキ屋ツアー!

殺人ケーキ屋って・・・。なんで略す?笑えないぞ。

「そこのケーキ喰ったやつは必ず死んでるんですって?」

って、内容もごっちゃかいっ!
2年になってもバカだな。ジェミー。

そんなとこ営業許可されるわけないだろうが!
まぁ・・・なんで営業許可がおりているか、不思議じゃないわけでもないが・・・。


しかし、このツアーに思わぬ障害が発生しました。

孝昭くんが1週間の停学をくらったのです。
それも持ち物検査で「タバコ」がめっかるという大失態。

しかもこの情報。どこをどうまわってか(おそらく工藤先生経由?)駐在さんも知るところとなり、その喜びようはたいへんなものでした。

下校の帰り道。わざわざ僕たちを呼び止めた駐在さんは
「おい、ママチャリ。孝昭、モクやって停学だってな〜〜〜」。

なにしろ以前ザリガニ池での喫煙論争で孝昭くんに負けている駐在さん。
うれしくってしかたないようです。

「ええ。1週間らしいです」。

「いや〜〜〜〜。そりゃいいっ!もうビールがうまいっ!今夜も祝杯だなぁ」。

警察が高校生の喫煙発覚でこんなに喜ぶとは。
信じがたいやつ。

「駐在さんだって高校のとき吸ってたって言ってたじゃないですか」。

「ん?ママチャリ。お前なんか勘違いしてないか?」

「え?」

「俺は喫煙のことはどうでもいい。とりあえず孝昭が停学ってのがな〜〜〜。あははは〜〜〜。笑いが止まらん!」

くそ〜〜〜〜〜〜。

「だいたい俺は中学からだ」。

くっ!こ、こいつっ!

「♪いまぼ〜〜〜聴こえる〜〜〜あのおふくろの〜〜こえ〜〜〜 ぼくに〜〜〜しんせい*を〜〜〜おしえてくれた〜〜〜」

画像
<*しんせい 昔人気があった安タバコ>

ヘンな鼻うたまじりで駐在所内へと入る駐在さん。

「くそ〜〜〜。人の不幸よろこびまくりやがって」。
「うん。まったくだ。許せねぇ」。

孝昭くんに代わって、固く復讐を誓う僕たちだったのでした。


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