ぼくたちと駐在さんの700日戦争

 

  
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ぼくたちと駐在さんの700日戦争

4章『夕陽の決闘』


cd2.jpg


第1話 女教師杏子(1)


話は、3章、中間試験終了時にもどります。

つまりレコード屋さんと対決する前。駐在さんに置き去りにされた数日後、ということです。
頭をレコード屋作戦会議直前にもどしてください。


駐在さんは、自分の「沼に高校生置き去り大作戦」が失敗し、しかも町にもどって来るまで、喉や目に後遺症がしばらく残っておりましたので、
「おぼえてろ~」
とヒャックリを、連発しておりました。

しかし、警察官が高校生に向かって「おぼえてろ~」は、かなりきている台詞でした。
きっと現代なら「とんでもない公務員」として全国ニュースにでもなるのでしょうが、当時は公務員の給与は安く、特に警察官は重労働で安月給でしたので、人々の信望を得ておりました。
いずれにせよ寛容な時代だったのです。

さて。レコード屋対策会議直前のことです。

西条くんが、
「ちょっと、俺、職員室まで行かないといけねーんだよなー」

普通の相手なら「なぜ?」と、質問が飛び出すところですが、彼の場合、それが日課のようなものでしたので、誰も興味をしめしませんでした。

が、それがどんなトラブルに結びつくか不安ではあったので

「なにかしたのか?」
といつもながらの問いをしますと

「いや・・・物を引き取りに行くんだけどさ。つきあってくれる?」

「なにを引き取るんだ?」

「それがよー・・・・」



「本屋から届け物ぉ?」

「そうなんだよ・・・」

彼は、万引き疑惑の際、袋から引きずり出されたビロビロシリーズ、具体的には
「びろびろのハエ取りリボン」と
「西条くんの母ちゃんのびろびろパンツ」
を、そのまま本屋さんの机においてきた、と言うのです。

確かに・・・・。毒ガスぞうきんは袋にもどしましたが、そのまますぐに蓋を閉めました。(2章『VS本屋』参照)

「そいつをさ、駐在が学校に届けたらしいんだけど・・・」

駐在!?

「それってただ事じゃないんじゃないか?」

そうです。思い出してください。
駐在さんには、僕たちが与えてしまった『○Mファン』1月号~8月号がまだ手元にあるのです。

「うん・・・・・まぁ・・・・・」
奥歯にモノのはさまったような言い方。

「中身はもう確認したのか?」

「ああ、だって、すでに1回呼び出されてっから」

ふむ。気になる『S○ファン』は?

「ん。入ってた。2月号・・・」

やっぱり・・・・・・。やってくると思いました。駐在。

「するとまた没収か?」

「いや・・・それは俺が学校に持って来たもんじゃねぇからな。没収はしねーんだって」

なるほど。それで放課後引き取りなわけか・・。
よかったな、と言ってやるべきことなのでしょうか?

「でも、2月号でよかったじゃないか。1月号ならバター付きだろ?」(2章『バター騒動』参照)
これは村山くんの質問。みんなよく覚えてます。

「え?あ、ああ」

どうも歯切れの悪い西条くん。

ん?

「お前・・・・まさか・・・2月号も・・・?」

「ん。ちょっとだけだよ。グラビアページのさ。少しだけバター試してるけど・・・。2月号も・・・」

はぁ!?

「お前ねぇ。1月号全ページやってダメなんだから、2月号もダメに決まってるだろ!?」

「いや。印刷屋が悔い改めることもあるじゃん?」


お前が悔い改めろっ!!


だいたいなに過少申告してんでしょう?こいつ。

しかし。

「いや・・・それだけならまだよかったんだけど・・・・」

ん?それだけじゃないってこと?それだけでもじゅうぶんですけど。

「やり口がすげぇんだよ。駐在のさぁ。これが憂鬱のタネなんだ」

僕はせいぜい『S○ファン』止まりと思っておりましたので、ちょっと驚きました。
能天気が学生服着ていると言っても過言ではない西条くんが、この落ち込みよう。
絶対にただ事ではありません。

「問題は白井なんだよなー・・・・・」

白井、とは、西条くんのクラスの担任の白井杏子先生(仮名30歳 お茶○水女子大出身)のことです。
彼女はクラス担任だけでなく、西条くんの所属する陸上部の顧問でもありました。

先生がなにかかかわりあるのか?

僕は、グレート井上くんを連れ立って、西条くんの引き取りにつきあうことにしました。

さほどの時間をくうでもなく、西条くんは職員室から解放されました。
彼の手には、大きく名前が書いてある書店の紙袋。

見た目普通の紙袋に、どんな秘密があるというのでしょう?


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第2話 女教師杏子(2)

僕たちは、アジトである空き教室に集まって、その紙袋が開けられるのを待ちました。

「まぁ・・・見てくれよ」

西条くんがひとつずつ中身を取り出します。

はじめにビニールに入った「ハエ取りリボン」
本屋さんも律儀です。こんなもの返さなくてもいいものを。

そして雑誌『S○ファン』2月号
いつ見てもすげー表紙です。
あとは西条くんの「母ちゃんのびろびろパンツ」だけ。な、はずなのですが
出てきたのは1册の文庫本。そしてその本に、丁寧にアイロンがけされたパンツがはさまっていました。

「なんだ?その本?」

見覚えがありません。

見るとエロ文庫本。
なんとタイトルが


『女教師杏子××た課外授業』


え???


「これなんだよ~。まいっちゃってさぁ」と、西条くん。

「よく探したよなぁ。このタイトル・・・。おかげで白井が俺と目を合わせないんだよ」

僕たちは10秒ほど無言になりました。

が、次の瞬間



ぶわははははははははは

大爆笑!

なにしろ杏子先生と漢字まで同じ!こりゃすごい!

「あっはっはっは。女教師杏子かぁ。あははははは。やるなぁ。駐在~!」

もう呼吸ができないほど笑いころげる僕たち。

これに対し、西条くんだけがむっとしていて
「笑いごっちゃねーよ!生徒指導の工藤にも見られたんだぜ。このパンツとのセット。警察官が勝手に入れたなんて信じるわけねーし」

「あははは。そうだよなー。こら!笑うなよ、みんな。あはははは。こりゃシャレになってねーよ。ぶわははは」

「おかげで、なんか俺が白井に気があるように見えるだろ?」

「あはははははははは。そうだな~。そう見えるな~。あはははははは」

「いや。笑い事じゃないって。このパンツも、なにか白井のパンツを大切にとってるように見えないか?」

「わははは。見える!丁寧にアイロンかかってるし!あははははははははは。母ちゃんのパンツなのに!わはははははははははは」

「というかさぁ。俺ら陸上部で遠征とかあるだろ?工藤からは、その時に盗んだかに思われてんだよ・・・。白井のパンツ・・・。白井は無言になっちゃってるし・・・」

「そ、そ、そうか・・。遠征あるからな・・・。無言か!?あっははははは。あー呼吸できない~。もうやめてくれ~」

「だから笑いごっちゃねーっつってんだろ!」
真剣な西条くん。

「・・・それにしても西条の担任まで、よくわかったな。駐在」

この疑問に対し、孝明くんが
「うん。俺ら、よく担任がよばれてっからな。警察署に」

なるほど・・・。すでにバレバレというわけか。

「俺。毎日、白井と顔合わせなくちゃいけないんですけど・・・。どうしよう?」
どうやら本人には深刻な問題のようでした。

ようやく少し冷静さをとりもどした僕たち。

「やっぱりただ者じゃないなぁ~。あの駐在」
「うん。あんなのが警察官だってのが驚きだな」
「とんでもねーのが赴任してきたなぁ・・・」

でも、手をこまねいているわけにはいきません。

「復讐、する?」

これに対して西条くん。

「あったりまえだっ!目には目!パンツにはパンツだ!

なに「パンツ」に力こめてんだよ・・・。


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第3話 パンティを探せ!(1)


「パンツにはパンツ」。
とは言いましたものの、これは思ったよりずっと難問でした。
なにしろ「欲しい」のは、我々の履いているパンツではなく、言うまでもなく女性のはく、所謂「パンティ」の類いであるからです。
それも作戦上、西条くんの母ちゃんパンツのようなものではなく、セクシーなものが必要でした。

これを男子高校生が入手するのはかなり至難の業です。
女子高生が男性用パンツを入手するのは、さほど難しくもなさそうなのに、この差はなんなのでしょう?

「井上~。妹の夕子ちゃんからもらえない?」と、西条くん。

「ばっ、ばか言うな!もらえるかっ!」
グレート井上くん。

「じゃぁ、盗めない?」

「だからぁ。どこの世界に妹の下着盗む兄がいるっ!?」

続けてグレート井上くん、
「だいたいさぁ。妹が履いてるようなのはダメだよ。中3だぞ、中3。欲しいのはもっとセクシーなやつだろ?」

「え!夕子ちゃん、どういうの履いてるわけ?」

すでに本題が夕子ちゃんの下着の柄に移ってしまっています。

「いや・・・さくらんぼ柄とか・・・」
律儀に応えるグレート井上くん。

「おおおおぉぉぉ・・・」

「ストライプとか・・・・」

「おおおおぉぉぉ・・・」

グレート井上くんがひとこと話すたびに、どよめきがおこります。
ああ・・・神様。なぜ男をこういう生き物につくりたもうたのでしょう?

「それからそれから?」

「だからぁ。夕子ちゃんのパンツの柄じゃないだろ?主題は」

「うん。でもせっかくだから」

なにがせっかくじゃ!

「じゃぁさぁ。孝昭。お前、ネェちゃんの借りてこい!」と、さらに西条くん。

コイツは、すでに作戦とかを離れ、パンツが欲しいだけにも思えます。

「ばっ、ばか言うな!そんなのばれたら殺されるぞ!」

孝昭くんのお姉さんは、我々よりは1つ上で18歳。
こう言ってはなんですが、女性の下着として考えれば最も価値の高い年齢でした。
しかし、彼女は、孝昭くんが言うように、孝昭くんに輪をかけて強い女性でしたので、言い分はもっともだったのです。

「う~〜〜〜〜〜〜ん」

メンバーには女性のきょうだいがいる者が8名もおりましたが、このことについては全員および腰でした。
僕や西条くんには男兄弟しかいませんでしたからわかりませんが、それほどに「たいへんなこと」なのでしょう。

「じゃぁ・・・盗むか買うしかないわけだなぁ・・・・」
「盗むって・・・。やだよ。捕まったとき、パンティ泥棒なんて・・・・」
「うーん・・・」

ごもっともです。

「クラスの女子にたのむってのは?村山あたりがたのめばなんとかなるんじゃない?」
「そうだそうだ。こういう時のためにモテてるんだからなっ」

いや・・・こういう時のためにモテてるわけじゃないと思うんですが。

「ばっ、ばか言え!その後はどうするつもりだ?」
村山くん。これももっともな言い分。

「お前、なんとか女だまして買わせろよ。諸葛孔明だろ?」
今度の矛先は僕です。

諸葛孔明がこんなしょーもないことで悩んだとは思えませんが。
だいたいだますって、どうだませばいいのでしょう?台詞がまったく思いうかびません。

買うにせよ、盗むにせよ、もらうにせよ、これは大難関でした。
僕たち男子高校生にとっては、それはダイヤモンドにも匹敵すると言っても過言ではありません。あらゆる意味で。
こんなにすごいもんだとは、それまで思ってもみませんでした。パンティ。

結局「もらう」「盗む」はあきらめ、購入を前提にすることに。
もっとも無難、というか、犯罪でないのはこれしかありません。
そこで全員が知恵を絞り、最も「女性の下着を買いやすい」ところを見つけました。

それは「病院の売店」です。

病院の売店なら「姉が入院している」とか理由をつければ、僕たちにも買えないことはないのではないか?
という算段。ナイスアイディア!
同じ事でお悩みの男性にはオススメです。

さっそく僕たちは、その日のうちに、主立ったメンバー3人で、市立病院へと向かいました。

ところが・・・。

なにしろ病院ですから、普通とは少し目的が違います。
売店にある女性用下着は、かなり地味だったのです。

「う~ん。これじゃぁ作戦には使えないなぁ・・・」
と、女性の下着前で奇妙な品評会をしている僕たち。
すでにかなりヘンです。

「どうかしたの?」
と、やさしい女性店員さん。

僕が
「えっと・・・ちょっと姉が長期入院するので、下着を買っていかなくちゃいけないんですけど・・・」

「ふぅ~ん・・」

今考えれば、入院している姉の下着を、男子高校生が3人も揃って選ぶ、ってのはそうとうに異常です。
すでに少し懐疑的な店員さんでしたが、とりあえずここまでは順調でした。

が、孝昭くん。

「もっとセクシーなのってありません?」



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第4話 パンティを探せ!(2)
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「セ、セクシーって?」
聞き返す店員さん。

「もっとこう小股の切れ上がったヤツっていうか、レースのついたやつっていうか・・・」

馬鹿!なに具体的に答えてんだよ!
だいたいにして「小股の切れ上がった」の使い方まちがってるぞ?

「し、しつれいしました~。また来ま~す」
僕たちは孝昭くんの手をひいて大慌てで売店を出ました。


「おまえね~。どこの弟が長期入院の姉にレースの下着とか買うわけ?」

「だって地味だったからよー・・・」

僕たちは絶望と脱力感のうちに市立病院を後にしたのでした。


帰り道。

「あー!どっかにパンティ落ちてねーかなぁ!なんとかなんねーか?パンティ!」

どうでもいいけど、こんな街中でパンティ、パンティって騒ぐなよ。

通りすがりの女子学生たちがクスクスと笑っています。

「いっそあのネェちゃんたちナンパしちゃおうか?」

「かまわないけど、なんて言って下着入手するわけ?」

「ヘイ!彼女!いっしょにパンツ買わない?」

「ダメに決まってるだろ・・・」

「軽蔑されるかな?」

いや。軽蔑っていうより、警察だろ?それ。

「姉ちゃんは持ってるんだよなー。こう、小股の切れ上がったヤツ」
だから「小股の切れ上がった」の使い方がおかしいってのに。
つくづく形から入る男です。

「ふうん。あのお姉さんがねぇ」

「意外か?」と、孝昭くん。

「ああ、どっちかって言うと姉御って感じだもんな。お前の姉さん」

「そうだ!お前から頼んだらどうかな?」
「はぁ?」

「実の弟だからダメなんであって、お前なら少しはアネキに信望あるし」

どういう信望でしょう?

「馬鹿言え!僕だって命は惜しいよ」


しかし、その日の夜。

孝昭くんから電話がありました。

なにやら半ベソな孝昭くん。
「あーもしもし。お、俺、孝昭」
「ああ。どうした?」

「あの、ね。あの、アネキに替わるから」
「はぁ?お姉さん?」

なにやら後ろで「さっさと替われ」とかの怒声が聴こえます。

「おい。アタシだけどさ」

すっげー険悪な雰囲気です。挨拶が「おい」です。
遅ればせの紹介ですが、孝昭くんのお姉さん、少し、というか、だいぶ「スケ番」入ってます。

「ああ、お姉さん、ごぶさたしてます」

「お前、アタシの下着が欲しいんだって?」

はぁ?

「孝昭がねぇ。さっきアタシの下着あさってたんで問いつめたら、アンタが欲しがってる、って言うんだよ。ホントなのか?」

「え!・・・いや・・・そんなことは・・・」
孝昭のバカヤロー。なんてことを!

ところが。
「いいよ。やるよ」

「え?」

「やるって言ってんだよ。アタシのパンツ。他ならぬお前の頼みだからな。小股の切れ上がったすっげーヤツ」
小股・・・姉弟して使い方間違ってます。

「なんだ、うれしくねーのか?」

「え、ほ、本当なんですか? う、うれしいです!すっごく!」

これが信望ってやつでしょうか?一瞬光明がさしました。パンツですが。


「んなわけねーだろ!やっぱりテメーだったのかっ!」

しまった!!ひっかかった!

「まったく何考えてんだよ!このド変態高校生が!

「え?いや・・・ち・・・ちがう・・・・」

 ガチャ!

電話は切れました。

ド変態高校生・・・・・。

なんで・・・・・・。


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