ぼくたちと駐在さんの700日戦争

 

  
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♪ジェミーって呼んだら〜

      ♪ジェミーって応える〜

♪ジェミーが歩けば〜 

      ♪笑顔がひろがる〜

♪ジェミーが歌えば〜

      ♪みんなが歌う〜

「ここからハミング! ♪hmmmmm....」


「うるせぇ、バカ」
「なにがここからハミングだ!」
「つまんねぇ歌うたうな。せっかくのモク(煙草)がまずくなる!」


「だって、ここは音楽室ですよ?歌うのがフツウじゃないですか〜」

学校の音楽室というのは、騒音対策として校舎の母屋とは離れて建っているのが一般的です。

我が校も例外ではありませんが、職員室とも離れるので、なにかとよからぬヤツらが屯したりします。

「歌がフツウじゃねーだろが」

「せっかくエール前のテーマつくったのに・・・」

「いらねぇよ!バカ!」
「エールだけでも恥ずかしいってのに!」


「まぁまぁ河野・・・。わりぃな。ジェミー。俺ら口ふさがってんだわ〜。タバコで」

「え。だから、せっかくハミングにしてあげたのに・・」

「ハミングでも誰がそんな歌うたうか!」
「やめろって、久保。いちいち相手にすんな」

「あ〜〜〜、言いましたね〜〜〜?」

「言ったがどした!?」

ところが。


「ヤベ!あの足音・・・」「センコウの見回りだ!」
「窓開けろ、窓!」



 ガララ‥‥!


「キサマら、ここでなにやってる!?」


「いや・・・」「なにって・・・」
「歌うたってました〜〜」

「歌ぁあ?」

「さん、ハイ!」

「「「「え・・・!!」」」」

「♪ジェミーって呼んだら〜〜〜」

「「「「♪ジェミーって応える〜・・・・」」」」

「♪ジェミーが歩けば〜〜〜」

「「「「♪笑顔がひろがる〜・・・・」」」」


「もっと元気よくぅ〜♪」




「それで盛り上がっちゃって〜。あはは」

「そうか。それで電車に乗り遅れた、と?」

「はい〜〜〜」

「それはわかったが、なんでウチに来た?」

「井上先輩。ここは山の手線みたいにすぐに次の電車が来るわけじゃないんですよ?」

「それはそうだろうが。聞きたいのは、山の手線とのダイヤ比較じゃなく、なんで駅から離れているウチにわざわざ来たのか、だ」

いつも正論を言うグレート井上くんです。

「それを話すと長くなっちゃうんで。おじゃましま〜す」

「コラコラ!勝手にひとんち上がるな!」

ジェミーの基本は、「ことわりさえすれば何をしてもいい」です。(←ノンフィクション)

「ま・・・いい。こっちだ」

「はい〜」

厳格な井上家では、ジェミーだけだと部屋までは通しません。

リビング止まりです。

「あ。ジェミーさん!いらっしゃ〜い」

それでも、ジェミーが他の多くのメンバーと異なるのは、あれほどカワイイ夕子ちゃんに、まったく興味がないという点。

年齢的には最も近いのですが、ジェミーは年下の異性は眼中にないのでした。(←ノンフィクション)

ですから態度も横柄です。

「おひとりですか? めずらしいですネ」(夕子ちゃんにとっては1年先輩)

「あ〜。やっぱり先輩と一緒のほうがよかった?」

10年続いて初のジェミーと夕子ちゃんの会話!)

「そ、そんなことは、誰も・・・・」

ここだけの話、ジェミーは「右の和美先輩と左の和美先輩」ファンなので、相対的に夕子ちゃんを応援しています。


「・・・・アラ。お客様?」

「あ。お母さま!おじゃましてます〜」

「あー、母さん。いいんだ。コイツは客じゃないから」

「また後輩にそんなことを言って。失礼でしょ?」グレート母さんは、比較的、お客には寛容です。

「ご覧の通りウチはもうすぐ晩ご飯なんだ。さっさと帰れよ」息子は違います。

「ちょうどよかったです〜」

「なにが?」

「いえ。ボク、まだなんで」

「誰も聞いてない」

「森田センパイと井上センパイって、どっちの方が頭いいんでしょう?」

「はぁあ?なんだ、唐突に」

「実は、こないだ森田センパイんちにお邪魔したんですが」

「お前、どこにでも邪魔してるな・・・・」(←ノンフィクション)

「いえ、ボクは、頭の善し悪しは食にあるんじゃないかな〜、と思ってるんですよね〜。で、森田センパイや井上センパイくらい明晰になるには、きっと食事に要因があるかと」

「またコイツは・・・テキトーなことを・・・・」

グレート井上くんにとっては、テキトーな話でも、

「丹下クンでしたっけ? 晩食べてらっしゃいな♪」

「か、母さん!」

母にとってはちがいます。

「いただいてきますぅ〜♪」

こうして、電車に乗り遅れたついでで、まんまと一食をせしめたジェミーです。

「で?森田さんのとこは、どんなお食事を?」

「それがですね〜。精進料理かと思ったらちがったんですよ〜!」

「精進料理って・・・オホホ」

誰とでも盛り上がれるのは、ジェミー最大の特技ですが。

盛り上がりすぎるのが欠点で。


その夜に、孝昭くんにグレート井上くんから連絡がありました。


「もしもし? 孝昭、ジェミーひきとりにこい!」

”え・・・・なんだって、俺が?”

盛り上がりすぎて、最終も逃したからです。

「ジェミーはお前らの管轄だろ」

”いつ決まったんだ!? 西条に言え!”

ジェミーのことは、いつもなすり合い。

もちろん、返答は、

”行くわけねーだろ。切るぞ?”

「井上センパイ。そんなんじゃダメですよ〜。電話換わってください」


「・・・あ。孝昭センパイ? 今、夕子さんがネグリジェです」

”すぐ行く!”





「孝昭センパイ、ごくろうさまですぅ〜」

「バカヤロ、『ご苦労様』は目下むけだ!目上には『おつかれさま』だ!」(←本当)

中学で番を張っていた孝昭くんは、上下関係の礼儀にはうるさいのです。

「あ!そうなんですか?初めて知りました!ごくろうさま〜!」

「テメェ、俺にケンカ売ってんのか・・・?」

「孝昭。そういうことはここを出てからやってくれ」

グレート井上くんとしては、一刻も早く、ジェミーを家から追い出したい一心です。

「チッ・・・・!ま、いいか。ところで井上・・・・夕子ちゃ‥」

「こんな時間から家にあげられるわけないだろ」

「えええええ・・・・・・」

当然と言えば、あまりに当然。

「いいから、さっさとジェミー連れて帰れよ。ごくろうさま!」

「くっそ〜〜〜〜〜〜〜!一番目下かよ!」

もちろん、孝昭くん、このままでは面白くありません。

いいとこまで乗っけたところで、

「ジェミー。N市まで乗っけてってやろうかと思ってたけど、やめた!」

「え〜〜〜? おつかれさまですぅ〜〜〜」

「おせーんだよ!」

確かに誰がどう考えても遅い。

「でも、しかたありません・・・・」

「お。テメェにしちゃ、やけに謙虚だな?」

「ええ。もともと家までは悪いなぁ〜、とは思ってましたから」

「ホントかよ?」

我が耳を疑う孝昭くん。

なにしろ、「悪いと思う」なんて言葉は、かつてジェミーから聞いたことがありません。(←ノンフィクション)

「テメ、実はジェミーじゃなかった、なんてことはねぇだろうなあ?」

孝昭くんを持ってして、こう疑わせるほど。

「せめて、村山センパイんちあたりまでお願いできますか〜?」

「村山?村山は送ってなんかくんねーぞ?」

クールな村山くんは、後輩にもクールです。

「そこからは自分でなんとかします」

「よっしゃ!ホントにそれでいいんだな?」

「しかたないですぅ〜」

グレート井上くんの家から、村山くんの家までは、それほど離れていません。

わずかに駅に近くなるだけ。

あっと言う間に、村山家前に到着すると、

「ホラ。ついたぜ?」

「ごくろうさま〜」

「テメェ・・・・。また電話なんかよこしても、ぜってー来ねぇからな」

「しかたないですぅ〜」

謙虚なジェミー。

「ま、いいや。こっからせいぜいガンバレ! わははは」

 クォオオオオ…ン

おいてけぼりにでもするかのように、孝昭くんのバイクが猛スピードで去っていった、

その直後。


 ザーーーーーーーー・・・・・


いきなり大雨が降り出したのでした。


「あ〜よかった〜。バイクじゃなくって♪」




<今日は原稿格闘中なので、物語もツイキャスもショートver.です>


雨が降り出していました。

「村山せんぱ〜〜〜い」

「あ‥‥‥‥どうしたんだ?こんな夜に‥‥‥‥‥‥」

「実は、カクカクシカジカ」

「カクカクシカジカ、って、ダイレクトに言われても‥‥‥‥‥‥」

村山くんは、とにかくクールですから。
雨が降っているとか関係ありません。
むしろ、雨が降っていることで、ジェミーの狙いは見え見えでした。

「用がないなら、帰れよ‥‥‥‥」

「お兄さんは、いらっしゃいますか?」

「いる‥‥‥‥‥けど‥‥‥‥‥‥どっちの?」

村山くんは、3兄弟の3番目。上に兄が二人います。

「ん〜〜〜〜〜、1番目の!」

「いったい、兄になんの用だ‥‥‥‥?」

するとジェミー、

「おにいさ〜〜〜〜〜〜ん!ちょっと車出してくれませんか〜〜〜〜〜〜」

「な、なにを!‥‥‥お前、兄と知り合いだっけ?」

「いいえ。ぜんぜん」

「それで、なんで兄に‥‥‥‥‥!」

「だって、村山センパイはクールですからね〜。頼んでも乗せてってくれないでしょう?」

「う‥‥‥‥‥‥!」

「2人もお兄さんがいるわけですから。どっちかは、村山センパイよりやさしい可能性があるじゃないですか!」

「むぅ!」

「というわけで、おにいさ〜〜〜〜〜〜〜ん!」

「バ、バカ!よせ!」

これだけ騒げば、さすがに2人の兄も出て来ます。

「なんだ?」「なんのさわぎだ」

「あ‥‥‥‥‥兄さん、たち‥‥‥‥‥‥なんでもない」

「実は、カクカクシカジカ!」


「ぁあ?お前の後輩だろ。お前が乗せてけ!バカ」
「そうだ!自分の後輩の面倒くらいみろ!バカ」


2人の兄の命令とあらば、弟は聞かざるをえませんでした‥‥‥‥。



「なんかすみませんねぇ〜」

「‥‥‥‥‥‥」

兄まで利用するジェミーの傍若無人に腹が立った村山くん!

「‥‥‥くらえ!」


 ギャギャギャギャギャ!


いきなりのスピンターーーーン!



「ヒャッホ〜〜〜〜〜イ♪」



「村山センパイ!もう1回、もう1回!」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

でも、ジェミーには、まったく通じないのでした(ノンフィクション)



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