ぼくたちと駐在さんの700日戦争

田舎町で繰り広げられたしょーもない悪戯戦争です

  
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僕と西条くんは、さらにその数日後にレコード屋さんをたずねました。

「おや。君たち、ひさしぶりだねー」。

「おじさん、表の 公害ブルースってなぁに?」
しらじらと僕たち。
「ああ。あれね。あんまり問い合わせが多いんで、いっぱい仕入れたんだけどねー。どういうわけか1枚も売れないんだな。セイヤングとかじゃすごいらしいんだけど・・」。

そりゃそうだ。
それにしても「セイヤング」って。口からデマカセなのに、人の噂とは恐ろしいものです。

「ふーん。じゃぁ返品すれば?」
と、なげやりに西条くん。

「いや。返品枠って決まってるからね。あんまり返せないんだよ」。

返品枠。僕たちは、この言葉を初めて知りました。
そうだったのか・・・。

「じゃぁ、僕たちが1枚買おうか?」

「え!ほんと?ありがたいなぁ。やっぱり持つべきはお得意さんだね!」

「うん。でも、本屋さんに、あいつらは怪しいって言ったでしょ?」
核心です。
僕たちは、濡れ衣をはらすためだけに400円を投資したのです。

「え?なにそれ?」

「ほら。こないだ僕たちが駐在さんともめたとき」。

「んー。君らはいつも駐在さんともめてるからなー。こないだも護送されてたろ?」。

やっぱりそう見えてたか・・・・。護送じゃないっちゅうに!。

「あー。こないだの本屋さんでのこと?」
と、レコード屋さん。

強くあいづちをうつ僕たちに向かって
「あれは違うよ。それを言ったのは電気屋さん」。

え!で、で、電気屋ぁ???


「だ、だって本屋さんのご主人が、レコード屋さんがそう言ってたって・・・」。

「え〜?本屋さんも年だからなぁ。でも、それを言ったのは電気屋さんだよ」。

どうやらこっちが信憑性高です。

「長い付き合いだもの。僕が君らのこと、そんなふうに言うわけないじゃないかー」。

「え????そうなの・・・ですか?」
突如へんな敬語に変わる僕と西条くん。

「そう。電気屋さん。それでね。あんたんとこは盗まれるような小物ないじゃないかって、大笑いしたんだよ」。

「はぁ・・・・・・・・・そうなの・・・ですかぁ」。

信憑性は確信に変わりました。

「それがどうかしたの?」

「い、いえ。『公害ブルース』、もう1枚もらえます?


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※文化放送さん。あの日から毎日毎日『公害ブルース』をリクエストしたのは僕たちです・・・・。

    3章-第3話へつづく →

テーマ:笑える小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
筋は通すのですね?
阿漕な悪戯をやるのに、仁義は通す。
少年らしい短絡的な浅はかさ。
でも、犯した過ちを償う(その方法も、子供らしいのですが?)姿勢。

爽やかで、好感を抱いてしまうから不思議?
2007/09/03(月) 23:05:53 | URL | #-[ 編集]
リクエストかかりました?
夜明けが来る前に語りあおお〜う〜。


  「はぁぃ、ママチャリさんいらっしゃい。」

  「ママチャリさんからのリクエストで、『公害ブルース』をどうぞ。」
2008/03/20(木) 15:42:38 | URL | kahei #e5NJ8bLQ[ 編集]

犯罪ギリギリって感じがスリリングで良いですね。
それでいて憎めない無邪気さがただよってる。
まぁ、時代が良かったんでしょう。
今なら迷惑防止条例あたりで御用かも・・・
2008/03/29(土) 15:24:40 | URL | ちー太郎 #Fw4GgpdY[ 編集]
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