ぼくたちと駐在さんの700日戦争

田舎町で繰り広げられたしょーもない悪戯戦争です

  
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「パンツにはパンツ」。
とは言いましたものの、これは思ったよりずっと難問でした。
なにしろ「欲しい」のは、我々の履いているパンツではなく、言うまでもなく女性のはく、所謂「パンティ」の類いであるからです。
それも作戦上、西条くんの母ちゃんパンツのようなものではなく、セクシーなものが必要でした。
これを男子高校生が入手するのはかなり至難の業です。
女子高生が男性用パンツを入手するのは、さほど難しくもなさそうなのに、この差はなんなのでしょう?

「井上〜。妹の夕子ちゃんからもらえない?」
と、西条くん。

「ばっ、ばか言うな!もらえるかっ!」
グレート井上くん。

「じゃぁ、盗めない?」

「だからぁ。どこの世界に妹の下着盗む兄がいるっ!?」

続けてグレート井上くん。
「だいたいさぁ。妹が履いてるようなのはダメだよ。中3だぞ、中3。欲しいのはもっとセクシーなやつだろ?」

「え!夕子ちゃん、どういうの履いてるわけ?」

すでに本題が夕子ちゃんの下着の柄にうつってしまっています。

「いや・・・さくらんぼ柄とか・・・」。
律儀に応えるグレート井上くん。
「おおおおぉぉぉ・・・」

「ストライプとか・・・・」
「おおおおぉぉぉ・・・」

グレート井上くんがひとこと話すたびにどよめきがおこります。
ああ・・・神様。なぜ男をこういう生き物につくりたもうたのでしょう?

「それからそれから?」

「だからぁ。夕子ちゃんのパンツの柄じゃないだろ?主題は」。

「うん。でもせっかくだから」。
なにがせっかくじゃ!

「じゃぁさぁ。孝昭。お前、ネェちゃんの借りてこい!」
と、さらに西条くん。
こいつは、すでに作戦とかを離れ、パンツが欲しいだけにも思えます。

「ばっ、ばか言うな!そんなのばれたら殺されるぞ!」

孝昭くんのお姉さんは、我々よりは1つ上で18歳。
こう言ってはなんですが、女性の下着として考えれば最も価値の高い年齢でした。
しかし、彼女は、孝昭くんが言うように、孝昭くんに輪をかけて強い女性でしたので、言い分はもっともだったのです。

「う〜ん」。

メンバーには女性のきょうだいがいる者が8名もおりましたが、このことについては全員および腰でした。
僕や西条くんには男兄弟しかいませんでしたからわかりませんが、それほどに「たいへんなこと」なのでしょう。

「じゃぁ・・・盗むか買うしかないわけだなぁ・・・」。
「盗むって・・・。やだよ。捕まったとき、パンティ泥棒なんて・・・・」。
「うーん・・・」。

ごもっともです。

「クラスの女子にたのむってのは?村山あたりがたのめばなんとかなるんじゃない?」
「そうだそうだ。こういう時のためにモテてるんだからなっ」。

いや・・・こういう時のためにモテてるわけじゃないと思うんですが。

「ばっ、ばか言え!その後はどうするつもりだ?」
村山くん。これももっともな言い分。

「お前、なんとか女だまして買わせろよ。諸葛孔明だろ?」
今度の矛先は僕です。

諸葛孔明がこんなしょーもないことで悩んだとは思えませんが。
だいたいだますって、どうだませばいいのでしょう?台詞がまったく思いうかびません。

買うにせよ、盗むにせよ、もらうにせよ、これは大難関でした。
僕たち男子高校生にとっては、それはダイヤモンドにも匹敵すると言っても過言ではありません。あらゆる意味で。
こんなにすごいもんだとは、それまで思ってもみませんでした。パンティ。

結局「もらう」「盗む」はあきらめ、購入を前提にすることに。
もっとも無難、というか、犯罪でないのはこれしかありません。
そこで全員が知恵を絞り、最も「女性の下着を買いやすい」ところを見つけました。

それは「病院の売店」です。

病院の売店なら「姉が入院している」とか理由をつければ、僕たちにも買えないことはないのではないか?
という算段。ナイスアイディア!
同じ事でお悩みの男性にはオススメです。

さっそく僕たちは、その日のうちに、主立ったメンバー3人で、市立病院へと向かいました。

ところが・・・。

なにしろ病院ですから、普通とは少し目的が違います。
売店にある女性用下着は、かなり地味だったのです。

「う〜ん。これじゃぁ作戦には使えないなぁ・・・」
と、女性の下着前で奇妙な品評会をしている僕たち。
すでにかなりヘンです。

「どうかしたの?」
と、やさしい女性店員さん。

僕が
「えっと・・・ちょっと姉が長期入院するので、下着を買っていかなくちゃいけないんですけど・・・」。

「ふ〜ん・・」。

今考えれば、入院している姉の下着を、男子高校生が3人も揃って選ぶ、ってのはそうとうに異常です。
すでに少し懐疑的な店員さんでしたが、とりあえずここまでは順調でした。

が、孝昭くん。

「もっとセクシーなのってありません?」

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    4章-第4話へつづく

テーマ:笑える小説 - ジャンル:小説・文学

コメント

孝昭くん さすがっ!!
あまりに爆笑だったので、
新雪を踏ませていただきました
あはは〜っっ
く・・・セクシ〜・・・・
2008/01/27(日) 18:57:23 | URL | いちごばなな #w6XFEYVU[ 編集]

パンティごときに、こんなに悩む高校生って・・・
  青春だあ〜

(このころ、通販って手もありましたっけ・・・)
2008/04/20(日) 21:59:19 | URL | アキプン #NRBrZvOo[ 編集]
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