ぼくたちと駐在さんの700日戦争

 

  
最新話(11/21) 改訂中(8/7) 最新記事(11/20) ラジオ(11/20) アジト教室14 掲示板

日曜ということもあって、僕はけっこう「油断」していました。

前回は土曜でしたから。学校帰りでブラブラしてる不良どもがうろついていたわけです。

今回は日曜。

通常、不良は休日は大きな街に集まるので、M町のような田舎町に屯したりしません。屯す場所そのものがないのですから。

学校がバレるような制服でもなく、学年章ももちろんなし。

さすがに、外見上も一般の学生である僕がカラまれるようなことは、よほどに運悪くカツアゲに遇うくらいしか考えられません。

なによりカラまれる最大の要因、西条くんが一緒じゃありません。


「あ、ここだここだ!」

ホラ! 無事、到着!

立派で古風な門。扉は閉じていません。

桐生とは、なんの連絡もとっていませんでしたが、「また来いよ」と言っていたのは彼の方。

けして、お愛想ではなく、けっこう気が合ったりしたのです。

ついでに、そこには商業の妹もいるわけでーー。

いえ、妹は、あくまでついでですけど。(※本当)

まぁ、居なかったら居なかったで、三途の爺さんでも訪ねるつもりでした。

そこには三人姉妹の孫娘もいるわけでーー。

いえ、孫娘は、あくまでついでですけど。(※本当だっちゅうに)


実のところ、僕としては「西条くんの憂いを取り除く」くらいの気負いがありました。

西条くんがカラまれる理由というのは、ほぼ相手からの一方的なものでしたから。

桐生なら、話せば、きっとわかってくれる。と・・・。

一度、自分の学校で万城目先輩との和解を成功した実績もあります。(『桜月夜』)

「こんにちは〜」

(↓敷地内はこんな感じ)
sakagura1.jpg


しかし、「油断」とは、安心した時に生まれるもの。


「「「ぁああ?」」」
「テメェ、あんときの!」



そこには、病院で遇った時より、はるかに多い人数の不良どもが!

うかつでした。

広大な面積を持ち、休業している日曜日の工場は、彼らの格好の溜まり場だったのです。

「あ・・・・」

あれほど、田舎の不良とつきあっていながら・・・・・。

なにより、

現に今、西条くんたちは、グレート井上家に屯してるわけで・・・・。

「ナニしに来やがった?テメェ!」

あるいは彼らも、ここに妹がいることも関係しているのかも知れません。

きっとそうでしょう。

「えっと・・・、桐生さんは・・・」

「いねぇよ」

ホントだ・・・!

桐生本人の姿はありません。

そう。屯す場所さえあれば、本人がいる必要はないのです。(←本当)

西条くんが言っていたように、桐生がリーダー格でいられる理由は、この場所にあるようにも思えました。

なによりの証明に、今しがた桐生の名を出したにも関わらず、彼らが矛を収める雰囲気はサラサラなく・・・

「西条は一緒じゃねぇのか?あ?」

さらに奥の倉庫らしき建物からも、

「どうしたぁ〜」
「なんだ?ソイツは」


置かれたバイクの台数から、10名以上はいることが判明。

まさしく僕は『飛んで火にいる夏の虫』状態です。


 どうしよう・・・?

 騒げばなんとかなるか?



いや・・・バイクで来ているのですから。

そもそもこいつらが、かなりデカイ声で騒いでいます。

 走って逃げる?

 いや・・・バイクがいるんじゃ無理だ・・・・


頼みは、桐生がもどることのみ、でしたが、

そこに、


「やめてよ!」



僕からすると、まさに何処から現れたのか、といった感じで、


「アタシのお客さんなんだから!」


「ぁあ?ミサオのぉおお?」


桐生の妹・・・・!?

「そうよ! いいから早く!コッチおいでよ!」

「え・・・ウ、ウン」

僕の手を引いて、酒蔵の中へと入って行きました。

(↓中はこんな感じ。この樽に落ちると1分以内に死ぬそうな)
sakagura2.jpg

その背中に、

「ミッサオ〜〜、たまには俺とどう?」
「ヒャハハ!」


聞くに耐えないよう下品な台詞が遠慮なくかけられます。

その言葉から、桐生自身が、連中の中でたいした立場にないことが分かりました。

本当に、この場所と、見てくれのいい妹だけが桐生の立場を保っている要素のようです。

そういう意味では、グレート井上くんが、西条くんたちとは一線を画しているのと似ています。


「アンタ、こないだ来てた子だよねぇ? なにしに来たの!」

彼女は、前回初めて会ったイメージとは、まるでちがっていました。

「え・・・・いや、お兄さんに会いに・・・・」

「お姉さんの件?」

 お姉さんって・・・

 あ。ジュリエットのことか・・・。

当初、ミサオちゃんは、僕を裏手の出口から出すつもりだったようですが、連中が行方を確認しているのを悟り、

「コッチ! アタシんち! 蔵とは離れてるのよ」

「あ・・・・ウン・・・・。ゴメン」

「謝るのは後にして! それなりに振る舞って」

「それなり・・・って?」

「BFっぽくよ! 」

「あ・・・ウン。分かった・・・・」

あらためて言われて、

彼女が握った手のやわらかさに、ちょっとドギマギしてしまいましたが、

それは、これから起きるトラブルの、ほんの入り口に過ぎなかったのです。



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コメント

ママチャリくんどこへ行ってもラッキースケベが向こうから駆け寄ってきてうらやましい
2017/11/09(木) 21:16:10 | URL | そうた #-[ 編集]

単身敵地に乗り込むなんて(/´Д`)/
無茶しますね〜
2017/11/09(木) 21:40:08 | URL | きゅう #WzzJX4NY[ 編集]

みさおちゃんのナイスフォローで助かったと思ったのに、これからまたトラブルが!!!トラブルを呼ぶというかトラブルに飛び込んで行く感じですね〜
ここの不良たちはみさおちゃんを軽く扱ってるけど、ママチャリくんの仲間たちは夕子ちゃんを大切に思ってますよね。
2017/11/09(木) 21:44:36 | URL | TEN子 #-[ 編集]

そりゃ、
長男がロミオやっている時に、

娘に次男の彼氏が現れたらって、、、

ジュリエットの方のジーさんの方にも
そんな話になってましたか?
2017/11/09(木) 23:26:39 | URL | にしかご #-[ 編集]

良くも悪くも充実してますね~
2017/11/09(木) 23:40:36 | URL | FEAL #nlnIFoG6[ 編集]

みさおちゃん美人な上に気がきくし兄の友達を守ってくれるなんて素敵…
2017/11/10(金) 01:02:41 | URL | 美緒 #-[ 編集]

一難去って又一難!
ママチャリ君の人生の縮図を見た気がします。
過去の成功に慢心して調子に乗りすぎ、自業自得な気もしますが。

しかし、桐生君は本当にいいように利用されているのですね。
更なるトラブルに巻き込まれるようですが、桐生の妹さんに危害が及びませんように!
ママチャリ君は妹さんを助ける為の人柱ということで、悔いはないと思います。
2017/11/10(金) 01:06:54 | URL | ラプラス #-[ 編集]

入り口がこれなら先が思いやられますね(^ ^;)
2017/11/10(金) 08:31:31 | URL | 虚空の双牙 #-[ 編集]

ご無沙汰してます。(何年振りでしょうか?チクリ小町あたりから離れてしまいました。)
ずっと続けられてたんですね。ビックリしました。くろわっさんもすごいですが、ずっとついて来られてる皆さんもすごいです。
西條君、孝昭君懐かしいです。っていうかどんだけ話があるのか…驚きです。
これはもうギネスものですね。
これから、バックナンバーを制覇していきます。
2017/11/12(日) 02:26:48 | URL | 名もない読者 #-[ 編集]

名もない読者になってしまいました。↑アキプンです。
2017/11/12(日) 02:31:41 | URL | アキプン #-[ 編集]

>アキプン

ほんと、ひさしぶりだねぇ。

まぁ、読む人いるから、書くってだけ。
実際、ギネス記録だと思うんだけど。申請してみようかなぁ。世界一長いコメディ小説。
2017/11/14(火) 23:40:41 | URL | くろわっ #NB/JWtcg[ 編集]
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