ぼくたちと駐在さんの700日戦争

田舎町で繰り広げられたしょーもない悪戯戦争です

  
←復習する?



「結局2枚、盗まれてんのかよ!」
「はぁ・・・。でも豹柄はありますけど」。
「つかえるかっ!」

「まったく。獅子身中の虫ってやつだな」。
「なんですか?しししん・・しんしんって?」。

こいつもか・・・。
「ししは16ですよネっ!」

お前、高校1年にもなって九九を知ったかぶりするな!九九を!
お前に確認してもらわなくても知ってるよ。
よく入試受かったな。こいつ。

しかし・・・。1枚ずつかっぱらっているとは・・・。
だいたいにして西条。誰のために復讐やってると思ってるんだ?


こうしている間にもことは着々と進み、すでに1班は作戦を開始しているはずでした。

僕たち設置班は、駐在所のすぐ隣にいたので他の班はまだ見えません。
したがって、ここからは一部、作戦フローチャートに基づいた想像です。

1班=誘導班の仕事は、学校から帰宅する先生をつかまえることです。
もちろんターゲットは「女教師」白井杏子先生。西条くんの担任でもあり、部活顧問でもあり、そしてエロ文庫『女教師杏子××た課外授業』と同名の先生です。

白井先生は、電車通勤でしたので、いつもピッタリの時間に、後輩の女教師「安西みすず先生」(仮名26歳)を伴って学校から出て来ます。
安西みすず先生は、化学の担当で、クラスは持っておらず、メガネはかけておりましたがそこそこの美形でした。どれくらい美形かと申しますと、稀に西条くんの妄想に登場する程度には美形でした。
この2人は、教師の中ではいつも帰りが一番早く、まぁ。善くも悪くも公務員先生でした。

彼女らを担当したのはグレート井上くんを筆頭とした「まじめグループ」です。
ここは信用が第一でしたので、勉強のよくできる彼は適任でした。
いえ、僕はもっとまじめでしたが。言うべきもないことです。

「し、白井先生!たいへんです!」
「どうしたの?そんなにあわてて」。
「さ、西条が!」
「さ、西条がまたなにかしたの?」

彼らの役割は、この女教師2名を駐在所まで誘導することでした。
この「西条がたいへんだ」は、当時担任の白井先生としては「日常最も恐れている言葉」でしたので、敏感に反応するのは間違いありませんでした。すでにメガンテ、メトロにも匹敵する最強呪文です。

これを受けて連絡班がバイクで移動。
西条くんたち「暴走班」に事態がスタートしたことを伝えに来ました。

しかし、この時点で、実はまだ駐在さんが帰って来ていませんでした。
普通の金曜日なら、とっくに帰って来ているはずの時間でしたので、僕たちはあせりました。

が、その数分後、無事駐在さん帰所。
僕たちは胸をなでおろしたのです。
おまわりさんの帰りを喜んだのは、後にも先にもこの時だけです。

そもそも、なぜこの日、この時間を狙ったかと言いますと、白井先生の帰宅時間と駐在さんが所内にいる時間が唯一、確実に一致するからです。
また、駐在さんは、夕方、駐在所に戻ると、必ず上着を脱ぎました。この習慣が重要でした。

やがて暴走班6名が「自転車の2人乗り」で駐在所前に到着。
ぎゃーぎゃー騒ぎ立てながらの2人乗りグループの走行は、いくぶん不自然ではありました。
が、駐在さんが自転車の2人乗りにうるさいのは『2章 大応援団』でもご承知の通りです。

 ピピピピピピピーッ

駐在さんが、例の笛を鳴らしながら飛び出してきたのはその直後のことでした。

「くぉらー!お前ら2人乗りはいかんぞ!!!」

ここで西条組を除いて2組は自転車を降りて逃亡。2人は尋問です。

「げっ!さ、西条!」

西条くん。すでに駐在さんにも「げっ」と言われる存在になりました。
あまりひとのことは言えませんが。

「おまわりさん、こんばんわ〜」。

「ん?ずいぶんとにこやかだな・・・」。

駐在さんが西条くんの笑顔に猜疑心を持ち始めた頃、ぼくたち設置班は、すでに駐在所の中におりました。


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    4章-第10話へつづく 
    いよいよ4章クライマックスへ!ってそれほどのもんでもありませんが。

テーマ:笑える小説 - ジャンル:小説・文学

コメント

本編は何度か読み返したので今コメント欄見てまわってます
ここに今更コメント入れても誰にも気付かれないかな 笑 自己満足的イタズラ 失礼しました
2007/10/08(月) 09:01:18 | URL | かず #-[ 編集]

その気持ちすごくわかる!!
2008/04/03(木) 15:31:31 | URL | たなブー #nVTYgX7g[ 編集]
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