それは神社の掃除も終えて、心臓破りの階段を降りていた時のことです。
すでにあたりは暗くなりはじめ、神社の杉木立からはヒグラシの声。
下から、階段を昇って来る女性の姿が見えました。
それがなんと!駐在さんの奥さんの妹さん、つまり美奈子さん!
「あ!」
「あれ?君たちは昨日の・・・」
「こんにちは〜。美奈子さん」。
「変態高校生一味!」
「ちがいますよ・・・・」。
掃除の疲れがどっと吹き出す僕たち。
「なにかしてるの?神社に」
えっと。聞き方、おかしくないですか?
ふつう「神社で」でしょう。
なんなんでしょうか。「神社に」って・・・。
「だって君たち、毎日どっかで悪さしてるって、義兄が・・・」。
駐在〜!
「ち、違いますよ。今日はボランティアで掃除してきたんですよ。神社を」
「ふーん。えーっと、それで、それはなんの罰なの?」
このかた、どうもよくわかっていない、というか、よくわかっているというか。
「それより、美奈子さんこそなにしてるんです?こんな夕暮れ時に」。
♪よびだしたりしてごめんごめん (← わかる方だけわかっていただければけっこうです)
「デートですかぁ?」
西条くんの質問に、どういうわけか下を向いてしまったのはグレート井上くん。
そうです。当時、田舎のデートスポットや待ち合わせ場所としては、けっこうポピュラーな場所でした。神社。
西条くんに対しローキックをくらわす村山くん。
「ウフフ。ちがうわよ。こっちに知り合いなんかいないもの。星がよく見えるところを探しているの」。
と、抱えた大きな望遠鏡を指差して言いました。
「そうだ!君たち、どっか星がよく見える場所知らない?」
「あ!俺の部屋、それも布団の上からとってもよく見えます!」
と言う西条くんに、激しくエルボーをくらわす村山くん。
「そうですね〜。このあたりだったら姫沼あたりがいいと思いますよ」。
「姫沼?」
姫沼は、僕と西条くんが駐在さんに置き去りにされかけた、例の「森のくまさん」の沼。
ほとりには広場があり、街の光が遮断される姫沼は、星の観測にはまさに格好の場所でした。
が、なにより、姫沼は、グレート井上くんの家が通り道にあったのです。
「そこ、星よく見えるの?」
「ええ。よく見えるなんてもんじゃありません。M78星雲で暮らすウルトラマン一家が肉眼で確認できるんですよ」。
「うん。こないだピクニック行ってるのが見えたよな。ウルトラマン一家が」。
「そうそう。ウルトラの母が5mくらいあるオニギリ持ってきてた」。
「タロウがおいしいおいしいって食べてました」。
「ウフフ。声まで聴こえるの?あなたたちって、ホント面白いのね。姉の言う通りだわ」。
「こいつの家近いから、井上に案内してもらうといいですよ」。
「じゃぁ、お言葉に甘えようかしら?」。
「ええ。でも、夜は危ないから、こいつについてってもらうといいですよ。なぁ。井上、いいだろう?」
「え、ええ、もちろん」。
「そうです、そうです。危ないから俺もついてきますよ!」
と、余計な茶々を入れる西条くんに、村山くんがアックスボンバーをくらわせながら
「西条、今日、電車、6時が終電なんだってさ。乗り遅れるとたいへんだぞ」。
どうやら村山くんも、親友井上くんの「恋心」に気を使っているようです。
しかし、終電6時って、どういう過疎村でしょう?
村山くんの配慮にようやく気づいた西条くんも
「あ。そうだ。俺、そう言えば母ちゃんが重い病に倒れたんだった。帰らなくちゃ」。
そりゃ初耳。ですが、この友情にはちょっと胸をうたれました。正直なところ。
が、グレート井上くん。
「うん、でもやっぱり一人じゃぶっそうだから、誰かほかにもつきあってくれよ」。
「そうか・・。それも言えているな」。
姫沼は、その広場と隣の市に近いという立地から、週末ごとに不良がたむろすという噂がありました。
そして今日はその週末。
「じゃぁ、やっぱり西条か孝昭にでも来てもらえば安全かな?」
別な意味で安全じゃないようにも思いますが・・・。
「西条君ってそんなに強いの?」
という美奈子さんの質問に
千葉くんが答えました。
「強いなんてもんじゃないすよ。こいつ。こないだなんかキングギドラと渡り合ったくらいですから」。
当の西条くん
「ああ、でも、あいつ首3つもあるんで口喧嘩は強かったな。3つの悪口、同時に言えるんだぜ」。
ここでも「ぷっ」と吹き出す美奈子さん。
か、か、か、かわゆい!お姉さん(駐在さんの奥さん)より上かも?
「でも、やっぱり悪いわ・・」。
「いいえー。僕たち、明日は休みですし。夜遊びは僕たちの課外活動のひとつですから」。
「あ!そうだ。こないだ間違って買った花火あるからさ。みんなで姫沼に集まるってのはどうだ?」
そうです。ジェミーが間違えて買ってしまった花火が手つかずで残っています。
「ナイスアイディア!みんな呼ぼう!そうすりゃ安全だし」
「どうです?美奈子さんは」。
「うん。楽しそう!うれしいわ」。
「わーい!花火大会だ!」
そうか。そんなに楽しみにしてたのか・・・ジェミー。高校1年で「わーい」って・・・。
「花火、いっぱいあるんだろ?」
「ええ。あります!線香花火が20本と・・・・あとドラゴン40個」。
なんだそりゃっ?
「だって。ドラゴン。好きなんですもん」。
みんな・・・・・来るかなぁ・・・・・。


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5章-第8話へつづく
すでにあたりは暗くなりはじめ、神社の杉木立からはヒグラシの声。
下から、階段を昇って来る女性の姿が見えました。
それがなんと!駐在さんの奥さんの妹さん、つまり美奈子さん!
「あ!」
「あれ?君たちは昨日の・・・」
「こんにちは〜。美奈子さん」。
「変態高校生一味!」
「ちがいますよ・・・・」。
掃除の疲れがどっと吹き出す僕たち。
「なにかしてるの?神社に」
えっと。聞き方、おかしくないですか?
ふつう「神社で」でしょう。
なんなんでしょうか。「神社に」って・・・。
「だって君たち、毎日どっかで悪さしてるって、義兄が・・・」。
駐在〜!
「ち、違いますよ。今日はボランティアで掃除してきたんですよ。神社を」
「ふーん。えーっと、それで、それはなんの罰なの?」
このかた、どうもよくわかっていない、というか、よくわかっているというか。
「それより、美奈子さんこそなにしてるんです?こんな夕暮れ時に」。
♪よびだしたりしてごめんごめん (← わかる方だけわかっていただければけっこうです)
「デートですかぁ?」
西条くんの質問に、どういうわけか下を向いてしまったのはグレート井上くん。
そうです。当時、田舎のデートスポットや待ち合わせ場所としては、けっこうポピュラーな場所でした。神社。
西条くんに対しローキックをくらわす村山くん。
「ウフフ。ちがうわよ。こっちに知り合いなんかいないもの。星がよく見えるところを探しているの」。
と、抱えた大きな望遠鏡を指差して言いました。
「そうだ!君たち、どっか星がよく見える場所知らない?」
「あ!俺の部屋、それも布団の上からとってもよく見えます!」
と言う西条くんに、激しくエルボーをくらわす村山くん。
「そうですね〜。このあたりだったら姫沼あたりがいいと思いますよ」。
「姫沼?」
姫沼は、僕と西条くんが駐在さんに置き去りにされかけた、例の「森のくまさん」の沼。
ほとりには広場があり、街の光が遮断される姫沼は、星の観測にはまさに格好の場所でした。
が、なにより、姫沼は、グレート井上くんの家が通り道にあったのです。
「そこ、星よく見えるの?」
「ええ。よく見えるなんてもんじゃありません。M78星雲で暮らすウルトラマン一家が肉眼で確認できるんですよ」。
「うん。こないだピクニック行ってるのが見えたよな。ウルトラマン一家が」。
「そうそう。ウルトラの母が5mくらいあるオニギリ持ってきてた」。
「タロウがおいしいおいしいって食べてました」。
「ウフフ。声まで聴こえるの?あなたたちって、ホント面白いのね。姉の言う通りだわ」。
「こいつの家近いから、井上に案内してもらうといいですよ」。
「じゃぁ、お言葉に甘えようかしら?」。
「ええ。でも、夜は危ないから、こいつについてってもらうといいですよ。なぁ。井上、いいだろう?」
「え、ええ、もちろん」。
「そうです、そうです。危ないから俺もついてきますよ!」
と、余計な茶々を入れる西条くんに、村山くんがアックスボンバーをくらわせながら
「西条、今日、電車、6時が終電なんだってさ。乗り遅れるとたいへんだぞ」。
どうやら村山くんも、親友井上くんの「恋心」に気を使っているようです。
しかし、終電6時って、どういう過疎村でしょう?
村山くんの配慮にようやく気づいた西条くんも
「あ。そうだ。俺、そう言えば母ちゃんが重い病に倒れたんだった。帰らなくちゃ」。
そりゃ初耳。ですが、この友情にはちょっと胸をうたれました。正直なところ。
が、グレート井上くん。
「うん、でもやっぱり一人じゃぶっそうだから、誰かほかにもつきあってくれよ」。
「そうか・・。それも言えているな」。
姫沼は、その広場と隣の市に近いという立地から、週末ごとに不良がたむろすという噂がありました。
そして今日はその週末。
「じゃぁ、やっぱり西条か孝昭にでも来てもらえば安全かな?」
別な意味で安全じゃないようにも思いますが・・・。
「西条君ってそんなに強いの?」
という美奈子さんの質問に
千葉くんが答えました。
「強いなんてもんじゃないすよ。こいつ。こないだなんかキングギドラと渡り合ったくらいですから」。
当の西条くん
「ああ、でも、あいつ首3つもあるんで口喧嘩は強かったな。3つの悪口、同時に言えるんだぜ」。
ここでも「ぷっ」と吹き出す美奈子さん。
か、か、か、かわゆい!お姉さん(駐在さんの奥さん)より上かも?
「でも、やっぱり悪いわ・・」。
「いいえー。僕たち、明日は休みですし。夜遊びは僕たちの課外活動のひとつですから」。
「あ!そうだ。こないだ間違って買った花火あるからさ。みんなで姫沼に集まるってのはどうだ?」
そうです。ジェミーが間違えて買ってしまった花火が手つかずで残っています。
「ナイスアイディア!みんな呼ぼう!そうすりゃ安全だし」
「どうです?美奈子さんは」。
「うん。楽しそう!うれしいわ」。
「わーい!花火大会だ!」
そうか。そんなに楽しみにしてたのか・・・ジェミー。高校1年で「わーい」って・・・。
「花火、いっぱいあるんだろ?」
「ええ。あります!線香花火が20本と・・・・あとドラゴン40個」。
なんだそりゃっ?
「だって。ドラゴン。好きなんですもん」。
みんな・・・・・来るかなぁ・・・・・。


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5章-第8話へつづく








1位じゃなくなってる!
ひさしぶりです。スパイダーマンDXです。
ランキングクリックしたら、なんと1位から脱落?
しかもしかも。1位がめちゃくちゃヘンなのなんだけど。
なんだあれ?
あれってインチキだよな。間違いなく。
はらたつ〜〜〜〜のり。
うーん。私の不徳の致す所でございまして、まことに申し訳ございませぬ。
スパイダーマンさん、おひさしぶりでしたねー。
でもまぁ、ここもついひと月前までは30位でしたから。それでもずいぶんと喜びますた。
あせらずとも面白ければみんな読み続けますし、面白くなければ読まなくなると思います。
ただ、ここはドキュメントなんで終わりがあるんですよねぇ。
せめて終わる前に、もう一度返り咲きたいものです。
どんだけドラゴン好きなんでしょう… もう夜中だと言うのに、笑いが止まりません(*´∇`*)
ぃぁぃぁ。
ほんと面白すぎですよ!!!
休日出勤する程仕事に追われてるのに
仕事が手につかなくなっちゃいましたょ!!!
どぅしてくれるんですか!
といいつつポチッっとなw
爽やかな風、吹いてきましたね。
美奈子さんと、西条くん達のやり取りが目に見えるようです♪
恋したから、見分けられる。
うん。素敵ですね。
懐かしい歌でした。色付きの文字
呼び出したりしてごめんごめん♪
思わず歌ってしまいました。
面白くて楽しくて喜んで読ませてもらってます。
でも、まだここ(笑
ほのぼのあったかいお話しを ありがとうございます。
今日のUPに追いつける日はいつかな?
>りりさん
いらっしゃいまし。
ここから5章フィナーレまでいっきにお楽しみください。
▲---------
>小鳥枝さん
>恋したから、見分けられる。
うん。素敵ですね。
はい。とっても不思議です
▲---------
>禅さん
>仕事が手につかなくなっちゃいましたょ!!!
どぅしてくれるんですか!
申し訳ない・・・
♪よびだしたりしてごめんごめん
高2の夏によく口ずさんでました。
懐かしさのあまり ついカキコ。
ひょっとして作者様は同世代?
映画楽しみにしてます。