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ドラゴン大会から間もなくして、やがて僕たちには「夏休み」が訪れました。
美奈子さんは、姫沼が観測所として気に入ったらしく、毎晩通っているらしき話を耳にしました。
おかげでグレート井上くんは、しょっちゅう「憧れのひと」と会う機会ができたわけで、やはりしょっちゅう姫沼に行っているようでした。
ドラゴン大会から間もなくして、やがて僕たちには「夏休み」が訪れました。
美奈子さんは、姫沼が観測所として気に入ったらしく、毎晩通っているらしき話を耳にしました。
おかげでグレート井上くんは、しょっちゅう「憧れのひと」と会う機会ができたわけで、やはりしょっちゅう姫沼に行っているようでした。
もともと頭のいいグレート井上くんは、美奈子さんの知識を吸収し「たいへんな天文博士」になりつつありました。
なにが「たいへん」かと言いますと、会うとさわるとギリシャ神話と星座の話などを説教風に始めるわけです。ほんと「まわりにとってたいへんな」天文博士でした。
しかし。彼には、リミットが着実に迫っているのも事実でした。
そうです。美奈子さんは「お盆までこっちにいる」。つまり、お盆を過ぎると東京へ帰ってしまうのです。
グレート井上くんの心中は、計り知れないものがありました。
そして。お盆もせまった夏まつりの日。
僕たちにとって、最大の事件が起きようとしていました。
普通、夏まつりに喜んで行くのは、中学生までの話で、さすがに高校にもなってうれしそうに行くようなものではありません。
僕たちグループも、一見、「祭り好き」に見えますが、実際まったくそのとおりだったので、去年ももめました。
「孝昭、お前、昨日おまつり行ってたろ?」
「ば、ばか言え!行かねぇよっ!」
「へへーん。ウソつけ〜。お祭りで見かけたぜ〜」
「じゃぁお前も行ってたんじゃないかよっ!」
「えっ!」
人を馬鹿にするときは、足下を確認しなくてはなりません。
「い、い、いや。お、俺はさ、老いた母をつれていっただけだぞ」。
「なんだよ。その『日本昔話』みたいな話はよっ!行ったなら行ったって言えよ!」
「まぁまぁ。お前ら、ふたりともちゃんといたの確認してるんだからさ。この俺が」。
「じゃぁ、お前も行ってんじゃん!」
「えっ!」
「ち、違うぞ!お、俺は一緒に行った友達に聴いただけだぞ」。
「だから一緒に行ってんじゃん!」
「えっ!」
「まぁまぁ、お前ら・・・・・・」
といったくだらない螺旋ループな言い合いをしたものでした。
が。
今年はちがいます!
全員が堂々と祭りに行くことが決定していました。
なぜなら
祭りのある神社は「僕たちが掃除したから」です。
せっかいな無宗教ババァと、健康的でしんのぞうの悪い神主さんのおかげで、3時間あまりに渡って奇麗にした神社。
さすがにそれだけかけると、多少なりと愛着もあるわけです。
そこで僕たちは『お祭りパトロール』をすることに決定していたのでした。
お祭りは夜祭りと昼祭りがあるのですが、当然、夜祭りを選びました。
どうしてって。そのほうが盛り上がるからです。
グレート井上くんは、美奈子さんとのアバンチュールがあるかも知れないので誘わず、掃除をした残り5名と、数人のメンバーに声をかけました。
当時も今も夜祭りの風景はあまり変わりがありません。
立ち並ぶインチキくさい出店。
焼けたソースとカラメルの匂い。
裸電球の照らす中を、浴衣姿の女性などが行き来する・・。
強いて言えば、当時のほうが「インチキくさい店」がもっと多かったようには思いますが。
西条くんの気合いの入り方はたいへんなものでした。
もう、誰彼かまわず注意しまくりっ!
「こら!そこの中坊!はずれクジ捨てんじゃねーよっ!ゴミ箱に捨てろゴミ箱に!腕へしおるぞ!」
「おっさん!吸い殻は灰皿に捨てろ灰皿に!入口にあったろ?」
「ガキィ!割り箸捨てんな!かあちゃんのみやげに持って帰れ!よろこばれるぞ!」
と、相手が5歳児だろうがチンピラだろうが、かまわず大声で騒ぐものですから、とにかく目立つ目立つ。
おかげでいつものお祭りと、全体の雰囲気が心なしか違っていたほどです。
「くっそ〜!ひとが苦労して奇麗にした神社を。なんだと思ってやがる!」
あまりに目立ったものですから、我々の行動に注目していた人物がいらっしゃいました。
ちょうど心臓破りの階段の踊り場あたりで、
「お前らも来てたのか?」
警備に来ていた駐在さんです。
なにしろ年間最大のお祭り。駐在さんはむろんのこと、周りの町からも応援を呼んでの警護です。
「お!おまわりぃ!タバコ吸うときは、上の灰皿んとこで吸えよな!」
と、駐在さんにも警告を発する西条くん。
「いや。残念だが警護中は禁煙だが・・・。なにをそんなに尖ってるんだ?」
神社の掃除も、元をたどれば駐在さんが与えた「二人乗りの罰」に端を発しています。
僕たちは、なぜ神社の掃除までしたのかを含め、駐在さんに苦言を言いました。
が、これを聴いた駐在さん。
「ぶ・・・・・・ぶわっはっはっはっはっはっはっは」。
大笑い。
「そ、そうか。お前ら、ここ全部掃除したのか?わはははは」
「ええ。おまけで隣の土地も一部」。
「そ、そ、そりゃ偉いな!わはははははははははははははははは」
無限に大笑い。
くっそー!このままただで済ますか!


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5章-第10話へつづく
なにが「たいへん」かと言いますと、会うとさわるとギリシャ神話と星座の話などを説教風に始めるわけです。ほんと「まわりにとってたいへんな」天文博士でした。
しかし。彼には、リミットが着実に迫っているのも事実でした。
そうです。美奈子さんは「お盆までこっちにいる」。つまり、お盆を過ぎると東京へ帰ってしまうのです。
グレート井上くんの心中は、計り知れないものがありました。
そして。お盆もせまった夏まつりの日。
僕たちにとって、最大の事件が起きようとしていました。
普通、夏まつりに喜んで行くのは、中学生までの話で、さすがに高校にもなってうれしそうに行くようなものではありません。
僕たちグループも、一見、「祭り好き」に見えますが、実際まったくそのとおりだったので、去年ももめました。
「孝昭、お前、昨日おまつり行ってたろ?」
「ば、ばか言え!行かねぇよっ!」
「へへーん。ウソつけ〜。お祭りで見かけたぜ〜」
「じゃぁお前も行ってたんじゃないかよっ!」
「えっ!」
人を馬鹿にするときは、足下を確認しなくてはなりません。
「い、い、いや。お、俺はさ、老いた母をつれていっただけだぞ」。
「なんだよ。その『日本昔話』みたいな話はよっ!行ったなら行ったって言えよ!」
「まぁまぁ。お前ら、ふたりともちゃんといたの確認してるんだからさ。この俺が」。
「じゃぁ、お前も行ってんじゃん!」
「えっ!」
「ち、違うぞ!お、俺は一緒に行った友達に聴いただけだぞ」。
「だから一緒に行ってんじゃん!」
「えっ!」
「まぁまぁ、お前ら・・・・・・」
といったくだらない螺旋ループな言い合いをしたものでした。
が。
今年はちがいます!
全員が堂々と祭りに行くことが決定していました。
なぜなら
祭りのある神社は「僕たちが掃除したから」です。
せっかいな無宗教ババァと、健康的でしんのぞうの悪い神主さんのおかげで、3時間あまりに渡って奇麗にした神社。
さすがにそれだけかけると、多少なりと愛着もあるわけです。
そこで僕たちは『お祭りパトロール』をすることに決定していたのでした。
お祭りは夜祭りと昼祭りがあるのですが、当然、夜祭りを選びました。
どうしてって。そのほうが盛り上がるからです。
グレート井上くんは、美奈子さんとのアバンチュールがあるかも知れないので誘わず、掃除をした残り5名と、数人のメンバーに声をかけました。
当時も今も夜祭りの風景はあまり変わりがありません。
立ち並ぶインチキくさい出店。
焼けたソースとカラメルの匂い。
裸電球の照らす中を、浴衣姿の女性などが行き来する・・。
強いて言えば、当時のほうが「インチキくさい店」がもっと多かったようには思いますが。
西条くんの気合いの入り方はたいへんなものでした。
もう、誰彼かまわず注意しまくりっ!
「こら!そこの中坊!はずれクジ捨てんじゃねーよっ!ゴミ箱に捨てろゴミ箱に!腕へしおるぞ!」
「おっさん!吸い殻は灰皿に捨てろ灰皿に!入口にあったろ?」
「ガキィ!割り箸捨てんな!かあちゃんのみやげに持って帰れ!よろこばれるぞ!」
と、相手が5歳児だろうがチンピラだろうが、かまわず大声で騒ぐものですから、とにかく目立つ目立つ。
おかげでいつものお祭りと、全体の雰囲気が心なしか違っていたほどです。
「くっそ〜!ひとが苦労して奇麗にした神社を。なんだと思ってやがる!」
あまりに目立ったものですから、我々の行動に注目していた人物がいらっしゃいました。
ちょうど心臓破りの階段の踊り場あたりで、
「お前らも来てたのか?」
警備に来ていた駐在さんです。
なにしろ年間最大のお祭り。駐在さんはむろんのこと、周りの町からも応援を呼んでの警護です。
「お!おまわりぃ!タバコ吸うときは、上の灰皿んとこで吸えよな!」
と、駐在さんにも警告を発する西条くん。
「いや。残念だが警護中は禁煙だが・・・。なにをそんなに尖ってるんだ?」
神社の掃除も、元をたどれば駐在さんが与えた「二人乗りの罰」に端を発しています。
僕たちは、なぜ神社の掃除までしたのかを含め、駐在さんに苦言を言いました。
が、これを聴いた駐在さん。
「ぶ・・・・・・ぶわっはっはっはっはっはっはっは」。
大笑い。
「そ、そうか。お前ら、ここ全部掃除したのか?わはははは」
「ええ。おまけで隣の土地も一部」。
「そ、そ、そりゃ偉いな!わはははははははははははははははは」
無限に大笑い。
くっそー!このままただで済ますか!


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5章-第10話へつづく







これ読んで夜更かししてます。すごく面白いですね(^-^)
ちなみに、僕は2章の最後の所でリンクを申し込んだ者です。向こうでは半角で書いたので文字化けしてしまってますが(^_^;)
うわ〜2番乗りだあ〜
今、本と照らし合わせて再読しています。
加筆部分を見つけると、うれし〜よお!
新しいぼくちゅうの読み方・・・・?