「なにをそんなにびびる?」
これをびびるな、ってほうが無理ってもんです。
「い、いや。いや、僕らそんな・・・」
「なんにも悪い相談してませんからっ」
孝昭・・いかにも悪い相談してるって言ってるようなもんだぞ。そりゃ。
「ん〜?怪しいぞ、お前ら・・・」
怪しい、ということは、話は聴いていない、ということ。
が、みんなは、びっくりしすぎて、すでにそんな判断はできていないようでした。
なにしろ、ぬすっとの相談に警察官。これほど最悪なめぐりあわせはありません。
「ぼぼぼぼぼぼ、ぼぼぼーぼぼーぼぼ、僕たち、なーんにもしてませんからねっ!」
どもるどもる。
「いや・・・犯罪とか聴こえたぞ?」
さすがに警察官。こういう単語に敏感です。
「ち、ちがいますよ。ぜ、ぜんざい食べたいな〜、なんて話してたとこだったんです。なぁ?」
「そ、そうそう。そうです。みんなではんざい食べる相談してただけですよ!」
おいおい。混じってるって。
「窃盗とか・・・・?」
「だ、だからぜんざいのセットですよ。ぜんざいと水よーかんセット!おいしいんだこれが」。
「そそそ、そうです。やっぱ夏は、洗剤と水ヨーヨーのセットだなぁーって・・・。お、おいしいんだ。これが」
西条。お前はしゃべるな。もう。

「いや。お前ら集まってるんだから、よからぬ相談をしていたことは間違いない」。
「な、なに言ってんですか。善良な高校生に向かって・・・」。
「はは。お前らが善良ならショッカーは慈善団体だ」。
鼻で笑う駐在さん。それにしても警察官の口から「ショッカー」って、初めて聴きました。
「お、おまわりさんこそ、こんなとこでなにしてるんですか?」
「そ、そうだそうだ。管轄外でしょ?ここ。早く帰って僕たちの町の安全守ってくださいよ」。
なんだその『探検ぼくの町』※みたいな言い分は。
「今日は夕方まで非番だ。ほら、美奈子ちゃんがあと少しで東京に帰るっていうんでな。その前に西条に挨拶したいっていうから。つれてきたとこだ」。
「え?美奈子さんがですか?」
「今、病院のロビーで待ってもらってる。西条の病室たずねたら中庭にいたっていうんでな」。
「で。この怪しい悪巧みの現場に出くわした、というわけだ。なに集まってんだ?揃いも揃って」。
「え?だから・・・い、今からラジオ体操でもしようかなぁ・・・って。おい、みんな準備できてるか?」
「あ、ああ。いつでもオッケーだぜ!ハンコくれよなっ」
「やっぱ第一のほうが第二より、少しかっこいいよな。やっぱ第一だぜ第一。ラジオ体操はよ」
「うそつけ!それにしてもこんなにウジャウジャいたんだなー。明るい所で集めるとすごいな。まぁ、西条ひとり見かけたらその30倍はいるっていうからな。わはは」。
ゴキブリ扱い・・・。このあたりに僕たちと駐在さんの戦いが終わらない原因があるように思うのですが。
「ところでおまわりさん」。
孝昭くんが聴きました。
「花火の申請ってどうやって出せばいいんですか?」
「花火?お前らのドラゴン程度じゃ申請はいらんぞ」。
「いや、そうじゃなくってもっと大きい花火の場合です」。
「んー。管轄署長宛に届け出を出すことになるが。なんで?」
「あああ、あの、夏休みの宿題なんですよー。”ぼくたちの町と花火”っていう」。
なんなんだ・・・そのタイトルは・・・・
「お前らの高校、レベル低いなー」。
言われちゃってます。
「そ、それで、申請書って休みも出せるんですか?」
「ん。申請書は休みでも出せるぞ。集まる場合は集会届けと・・だが花火で重要なのはどっちかって言えば消防署だな・・・でも、なんでそんなこと聴く?」
「だ、だから夏休みの宿題なんですよ!”ぼくたちの町と申請書”っていう」。
こらこら。タイトル変わってるぞ!
「ただな。申請書は出せるが許可証は話が別だ。休み中は出ないんじゃないか?」。
やっぱり。
「だいたいそれ以前に、お前ら未成年だから。なにやろうとしてるか知らんが、たいていの申請自体出せないぞ」。
西条くんの言っていたことは本当でした。
僕たちはめくばせで合図を送り合いました。
そうです。「やるしかない」の合図です。
とりあえず今は駐在さんの猜疑心をかわさなくてはなりません。
「お、おまわりさん。お盆は休まれないんですか?」
「まぁ。我々は休めないな。夏はいろいろあるから。犯罪も事故も多いしな・・・」。
「そうなんですか」。
「それになにより催しも多い。明後日もY市の花火大会だし・・」。
「え”!」
「なにをそんなに驚いている?」
「花火大会・・・行くんですか?」
「あたりまえだ。ここいらの警察官の大半は招集だ。なにしろ数万人も集まる大イベントだからなぁ」。
「あ!言っとくがお前らは来るなよ。仕事が増える」。
警察官から「来るな」って言われる僕たちっていったい・・・・。
いずれにせよ、僕たちは、とんだ「天敵」に、かんじんな質問をしてしまったことになります。
いやな予感がぷんぷんただよっていました。


1日1回!人気ブログランキング
5章-第19話へつづく
※『探検ぼくの町』は、NHK教育テレビの社会科用番組。チョーさんというお兄さんが八百屋に居候する設定の実に面白い番組でした。が、この話の設定の年代は『走れ良太!』という番組でした。でも通じないと年代の差が哀しいので、少し有名どころの『探検ぼくの町』を代用いたしました。
これをびびるな、ってほうが無理ってもんです。
「い、いや。いや、僕らそんな・・・」
「なんにも悪い相談してませんからっ」
孝昭・・いかにも悪い相談してるって言ってるようなもんだぞ。そりゃ。
「ん〜?怪しいぞ、お前ら・・・」
怪しい、ということは、話は聴いていない、ということ。
が、みんなは、びっくりしすぎて、すでにそんな判断はできていないようでした。
なにしろ、ぬすっとの相談に警察官。これほど最悪なめぐりあわせはありません。
「ぼぼぼぼぼぼ、ぼぼぼーぼぼーぼぼ、僕たち、なーんにもしてませんからねっ!」
どもるどもる。
「いや・・・犯罪とか聴こえたぞ?」
さすがに警察官。こういう単語に敏感です。
「ち、ちがいますよ。ぜ、ぜんざい食べたいな〜、なんて話してたとこだったんです。なぁ?」
「そ、そうそう。そうです。みんなではんざい食べる相談してただけですよ!」
おいおい。混じってるって。
「窃盗とか・・・・?」
「だ、だからぜんざいのセットですよ。ぜんざいと水よーかんセット!おいしいんだこれが」。
「そそそ、そうです。やっぱ夏は、洗剤と水ヨーヨーのセットだなぁーって・・・。お、おいしいんだ。これが」
西条。お前はしゃべるな。もう。

「いや。お前ら集まってるんだから、よからぬ相談をしていたことは間違いない」。
「な、なに言ってんですか。善良な高校生に向かって・・・」。
「はは。お前らが善良ならショッカーは慈善団体だ」。
鼻で笑う駐在さん。それにしても警察官の口から「ショッカー」って、初めて聴きました。
「お、おまわりさんこそ、こんなとこでなにしてるんですか?」
「そ、そうだそうだ。管轄外でしょ?ここ。早く帰って僕たちの町の安全守ってくださいよ」。
なんだその『探検ぼくの町』※みたいな言い分は。
「今日は夕方まで非番だ。ほら、美奈子ちゃんがあと少しで東京に帰るっていうんでな。その前に西条に挨拶したいっていうから。つれてきたとこだ」。
「え?美奈子さんがですか?」
「今、病院のロビーで待ってもらってる。西条の病室たずねたら中庭にいたっていうんでな」。
「で。この怪しい悪巧みの現場に出くわした、というわけだ。なに集まってんだ?揃いも揃って」。
「え?だから・・・い、今からラジオ体操でもしようかなぁ・・・って。おい、みんな準備できてるか?」
「あ、ああ。いつでもオッケーだぜ!ハンコくれよなっ」
「やっぱ第一のほうが第二より、少しかっこいいよな。やっぱ第一だぜ第一。ラジオ体操はよ」
「うそつけ!それにしてもこんなにウジャウジャいたんだなー。明るい所で集めるとすごいな。まぁ、西条ひとり見かけたらその30倍はいるっていうからな。わはは」。
ゴキブリ扱い・・・。このあたりに僕たちと駐在さんの戦いが終わらない原因があるように思うのですが。
「ところでおまわりさん」。
孝昭くんが聴きました。
「花火の申請ってどうやって出せばいいんですか?」
「花火?お前らのドラゴン程度じゃ申請はいらんぞ」。
「いや、そうじゃなくってもっと大きい花火の場合です」。
「んー。管轄署長宛に届け出を出すことになるが。なんで?」
「あああ、あの、夏休みの宿題なんですよー。”ぼくたちの町と花火”っていう」。
なんなんだ・・・そのタイトルは・・・・
「お前らの高校、レベル低いなー」。
言われちゃってます。
「そ、それで、申請書って休みも出せるんですか?」
「ん。申請書は休みでも出せるぞ。集まる場合は集会届けと・・だが花火で重要なのはどっちかって言えば消防署だな・・・でも、なんでそんなこと聴く?」
「だ、だから夏休みの宿題なんですよ!”ぼくたちの町と申請書”っていう」。
こらこら。タイトル変わってるぞ!
「ただな。申請書は出せるが許可証は話が別だ。休み中は出ないんじゃないか?」。
やっぱり。
「だいたいそれ以前に、お前ら未成年だから。なにやろうとしてるか知らんが、たいていの申請自体出せないぞ」。
西条くんの言っていたことは本当でした。
僕たちはめくばせで合図を送り合いました。
そうです。「やるしかない」の合図です。
とりあえず今は駐在さんの猜疑心をかわさなくてはなりません。
「お、おまわりさん。お盆は休まれないんですか?」
「まぁ。我々は休めないな。夏はいろいろあるから。犯罪も事故も多いしな・・・」。
「そうなんですか」。
「それになにより催しも多い。明後日もY市の花火大会だし・・」。
「え”!」
「なにをそんなに驚いている?」
「花火大会・・・行くんですか?」
「あたりまえだ。ここいらの警察官の大半は招集だ。なにしろ数万人も集まる大イベントだからなぁ」。
「あ!言っとくがお前らは来るなよ。仕事が増える」。
警察官から「来るな」って言われる僕たちっていったい・・・・。
いずれにせよ、僕たちは、とんだ「天敵」に、かんじんな質問をしてしまったことになります。
いやな予感がぷんぷんただよっていました。


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5章-第19話へつづく
※『探検ぼくの町』は、NHK教育テレビの社会科用番組。チョーさんというお兄さんが八百屋に居候する設定の実に面白い番組でした。が、この話の設定の年代は『走れ良太!』という番組でした。でも通じないと年代の差が哀しいので、少し有名どころの『探検ぼくの町』を代用いたしました。







いやな予感。。。。笑
とても楽しみにしてるのですが、明日から2日間
これないのです〜涙
でも月曜日の楽しみがでっかい!ですよ。
sainelさん、こんにちは〜。
そうですね〜。明日はともかく、明後日はだいぶ山場です。
予定では(笑)。
こいつ書くときには、実はまだまだ長いやつを書いておりまして、そっから削除と追加を続けてアップしてるんですね。
なにぶん、実際のときは、まだまだいろんな言い訳とかしゃべってるわけです。
それでだいたい予定とは違う長さになってしまうんですが。
で。最大の山場はたぶん火曜日なので、リアルタイムでご覧いただけるかと思います。
お待ちしてま〜す。