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「どうも今日はいろいろとありがとうございました」。
それでも丁重にお礼を言う僕たちに
「おー!こっちこそな!なんだか楽しかったぜ!」
そりゃ、あれだけ言いたい放題人生しゃべれば楽しいでしょう・・・。

「どうも今日はいろいろとありがとうございました」。
それでも丁重にお礼を言う僕たちに
「おー!こっちこそな!なんだか楽しかったぜ!」
そりゃ、あれだけ言いたい放題人生しゃべれば楽しいでしょう・・・。
「それでこれ・・・」
僕たちは親方に封筒を渡しました。
そこには現金4000円が入っていました。
「な、なんだ?今の学校は取材費払うのかい?へー!時代は変わったもんだねぇ」。
「ええ。まぁ、そんなもんです。で、この受取にサインもらえるでしょうか?」
「いんや。受け取れねぇなぁ。これであんちゃんたち、家でも建てな!」
建たねーから。
「いえ、これは受け取っていただかないと僕たちが困るんです。お願いします」。
「そうかい?まぁ、そう言うんなら・・・。家でも買おうかね・・・」。
親方はしぶしぶ封筒を受け取り、受取証に名前を書きました。
言うまでもなく、これが実は「花火代金」なのですが。
「んや?」
親方がジェミーを見てなにか気づいたようです。
やばい!
「お姉ちゃん、乳、ちっちゃくなってねぇか?」
す、するどい!伊達にスケベやってません。
ジェミー。
「やっだー。親方、そんなわけないじゃないですかぁ」。
実はそんなわけあったのです。5号玉を想定してきた詰め物でしたが、結局入らず、盗んだのは4号玉(約12cm)。
さっきより直径で3cmも小さくなってます。
「そうかい?まぁ、それでもまーるくっていい乳だなぁ。え?姉ちゃん」。
「親方!スケベなんだからン」。
「うん!まるで4号玉みたいだなっ!ははは。打ち上げたくなるぜ!」
す、するどすぎる!
ここは退散するに限ります。
「じゃー親方〜。ありがとうございました〜」。
「あ!待て、あんちゃん」。
「え・・・?」
どっきり。
「これ、持ってきな」。
親方は弟子になにか持って来らせると、それを僕たちに渡しました。
「これはな。余った火薬からつくった線香花火だ。係の人とかにあげてんだけどよ。そのへんに売られてるやつとはちがうぜ!」
それは藁に火薬がついたような、不思議な形をした線香花火でした。
「あ・・・ありがとうございます・・・」。
「じゃーな!夜、楽しみにしてくれよっ」。
さすがに僕たちは胸が痛みました。なんていい人なんでしょう。話長いけど。
やがて久保くんたちと合流。とりあえず、僕たちは「捕まらずに成功した」ことを喜び合いました。
「後は打上だけだな」。
「ああ・・・」。
「最後にもらった受取さぁ、あれなんか足しになるのか?」
「さぁ・・・。一応、お金払ったって証拠ではあるからな。いざとなった時役にたつかも知れない。気休めだけどな」。
「ふうーん」。
「なにしろ花火だろ?盗みましたって証拠、打ち上げるわけだから。まだ捕まる可能性高いよ」。
「ふむー・・・西条もまったくとんでもねー約束してくれるよなぁ」。
「まぁ。でも僕が西条でもひきうけたかもな・・・」。
「うん。たぶん俺も・・」。
盗むことに成功したにもかかわらず、僕たちの気持ちは晴れませんでした。
こんな複雑な気持ちの「悪戯」は初めてでした。
「ああ・・・そう言えばな」
河野くんです。
「さっき駐在みたいなのいたぞ」。
「え?俺らの町のあの駐在か?」。
「ああ。駐在って言えばもうアレしかいないだろう」。
「あ・・・そうか。今日はここに来るって言ってたからな」。
「さっさと退散しようぜ!」
帰り、花火は僕のヤマハメイトに全部積み、一番後ろを走りました。
万一こけた場合に被害が仲間に及ばないようにです。
とりあえず、西条くんに報告、ということで、僕たちの行き先は市立病院でした。
また中庭に集まった僕たち。
「そ、そーかー!盗めたのかぁー」
西条くん、感無量です。
「ああー。苦労したけど。2発だ」。
苦労したのは親方の話だけですけどね。
「すっげーなー。お前らー。でも、これでリョウに花火見せられるよ。ありがとうな、あり・・・」
「泣くなよ。馬鹿か、お前」。
西条くんは、まるで子供みたいにひくひく言いながら泣きました。
全治3週間の怪我をおっても泣かなかったやつが、こんなことで泣くというのも、またへんな話です。
「アオ・・・ヒック・・・ほんと・・・俺、いい家来にめぐまれて・・ヒック」。
「だからいつお前の家来になったんだよっ!」
「ったく、どさくさにまぎれやがって」。
僕たちは、そのままリョウくんの病室を訪ねることにしました。
リョウくんの窓から、どこが見えるのかを知るためです。そこが今日の花火の打ち上げ場所になります。
ロビーに入った所で、ミカちゃんがかけよってきました。
「サイジョー!
・・・と、ケライたち」。
ケライ・・・。またかよ・・・。これだけ言われ続けると、本当にそうなのではないか、とさえ思えてきます。
「サイジョー、今日、花火上がる?」
「ああ。上がるぞ!でっかいのがな!楽しみにしてろよ!」
「ウン!さすがサイジョーだお!」
「いやいや。今回はな、このケライたちが上げてくれるんだ」。
「ありがと!ケライ1号、6号と17号と18号!」
腹がたつほど正確です。1度プールに行っただけなのに。
「と・・・あれ?」
ジェミーを見て驚きました。そうです。彼女の家来リストには、バイオニックなジェミーはいません。
しばらく考え込んだミカちゃん。
「この人、サイジョーのコイビト?」
!
一同大爆笑。
悪ノリするジェミー。
「でも・・・今月、まだ来ないの・・・」。
バ、バカヤロー!6歳児の前で、くだらねーギャグかますんじゃねーよ!
お前には一生来ねーんだよっ!
「なにがこないの????」
疑問符いっぱいのミカちゃん。
「え?えーとー・・・・」。
ほらみろ!
「あなたにも、いつかわかるワ」。
ウィンクするジェミー。
なーに奇麗にまとめようとしてんだよっ!
下ネタのくせによっ!
が、ミカちゃん。
「来ないって、おきゃくさん?」
えっ!!!!
これがミカちゃんがわかって言っているのかどうか、僕たちは恐ろしくて聴くことができませんでした。
「そ、そーだね・・・。お客さん・・・来ないねぇ・・・どうしちゃったのかなぁ?」。
これにミカちゃん。
「わかった!夕子おねえちゃんとこに来てるんだっ!きっと!」
ええ!?
わ、わかって言ってんのか?
いや・・・いくら女の子がませてるからって・・・。
「そ、そうだねー。・・・夕子お姉ちゃんに聴いてみようかねー・・・」。
「夕子おねえちゃんとこも来てない?」
「い、いや。夕子おねえちゃんとこはちゃんと来てると思うな。ちゃんと・・毎月・・。で、でも今日は、ど〜かな〜・・・」
「というわけでケライ1号、お前、電話で聴いてくれ」。
聴けるかっ!馬鹿。


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5章-第28話へつづく
僕たちは親方に封筒を渡しました。
そこには現金4000円が入っていました。
「な、なんだ?今の学校は取材費払うのかい?へー!時代は変わったもんだねぇ」。
「ええ。まぁ、そんなもんです。で、この受取にサインもらえるでしょうか?」
「いんや。受け取れねぇなぁ。これであんちゃんたち、家でも建てな!」
建たねーから。
「いえ、これは受け取っていただかないと僕たちが困るんです。お願いします」。
「そうかい?まぁ、そう言うんなら・・・。家でも買おうかね・・・」。
親方はしぶしぶ封筒を受け取り、受取証に名前を書きました。
言うまでもなく、これが実は「花火代金」なのですが。
「んや?」
親方がジェミーを見てなにか気づいたようです。
やばい!
「お姉ちゃん、乳、ちっちゃくなってねぇか?」
す、するどい!伊達にスケベやってません。
ジェミー。
「やっだー。親方、そんなわけないじゃないですかぁ」。
実はそんなわけあったのです。5号玉を想定してきた詰め物でしたが、結局入らず、盗んだのは4号玉(約12cm)。
さっきより直径で3cmも小さくなってます。
「そうかい?まぁ、それでもまーるくっていい乳だなぁ。え?姉ちゃん」。
「親方!スケベなんだからン」。
「うん!まるで4号玉みたいだなっ!ははは。打ち上げたくなるぜ!」
す、するどすぎる!
ここは退散するに限ります。
「じゃー親方〜。ありがとうございました〜」。
「あ!待て、あんちゃん」。
「え・・・?」
どっきり。
「これ、持ってきな」。
親方は弟子になにか持って来らせると、それを僕たちに渡しました。
「これはな。余った火薬からつくった線香花火だ。係の人とかにあげてんだけどよ。そのへんに売られてるやつとはちがうぜ!」
それは藁に火薬がついたような、不思議な形をした線香花火でした。
「あ・・・ありがとうございます・・・」。
「じゃーな!夜、楽しみにしてくれよっ」。
さすがに僕たちは胸が痛みました。なんていい人なんでしょう。話長いけど。
やがて久保くんたちと合流。とりあえず、僕たちは「捕まらずに成功した」ことを喜び合いました。
「後は打上だけだな」。
「ああ・・・」。
「最後にもらった受取さぁ、あれなんか足しになるのか?」
「さぁ・・・。一応、お金払ったって証拠ではあるからな。いざとなった時役にたつかも知れない。気休めだけどな」。
「ふうーん」。
「なにしろ花火だろ?盗みましたって証拠、打ち上げるわけだから。まだ捕まる可能性高いよ」。
「ふむー・・・西条もまったくとんでもねー約束してくれるよなぁ」。
「まぁ。でも僕が西条でもひきうけたかもな・・・」。
「うん。たぶん俺も・・」。
盗むことに成功したにもかかわらず、僕たちの気持ちは晴れませんでした。
こんな複雑な気持ちの「悪戯」は初めてでした。
「ああ・・・そう言えばな」
河野くんです。
「さっき駐在みたいなのいたぞ」。
「え?俺らの町のあの駐在か?」。
「ああ。駐在って言えばもうアレしかいないだろう」。
「あ・・・そうか。今日はここに来るって言ってたからな」。
「さっさと退散しようぜ!」
帰り、花火は僕のヤマハメイトに全部積み、一番後ろを走りました。
万一こけた場合に被害が仲間に及ばないようにです。
とりあえず、西条くんに報告、ということで、僕たちの行き先は市立病院でした。
また中庭に集まった僕たち。
「そ、そーかー!盗めたのかぁー」
西条くん、感無量です。
「ああー。苦労したけど。2発だ」。
苦労したのは親方の話だけですけどね。
「すっげーなー。お前らー。でも、これでリョウに花火見せられるよ。ありがとうな、あり・・・」
「泣くなよ。馬鹿か、お前」。
西条くんは、まるで子供みたいにひくひく言いながら泣きました。
全治3週間の怪我をおっても泣かなかったやつが、こんなことで泣くというのも、またへんな話です。
「アオ・・・ヒック・・・ほんと・・・俺、いい家来にめぐまれて・・ヒック」。
「だからいつお前の家来になったんだよっ!」
「ったく、どさくさにまぎれやがって」。
僕たちは、そのままリョウくんの病室を訪ねることにしました。
リョウくんの窓から、どこが見えるのかを知るためです。そこが今日の花火の打ち上げ場所になります。
ロビーに入った所で、ミカちゃんがかけよってきました。
「サイジョー!
・・・と、ケライたち」。
ケライ・・・。またかよ・・・。これだけ言われ続けると、本当にそうなのではないか、とさえ思えてきます。
「サイジョー、今日、花火上がる?」
「ああ。上がるぞ!でっかいのがな!楽しみにしてろよ!」
「ウン!さすがサイジョーだお!」
「いやいや。今回はな、このケライたちが上げてくれるんだ」。
「ありがと!ケライ1号、6号と17号と18号!」
腹がたつほど正確です。1度プールに行っただけなのに。
「と・・・あれ?」
ジェミーを見て驚きました。そうです。彼女の家来リストには、バイオニックなジェミーはいません。
しばらく考え込んだミカちゃん。
「この人、サイジョーのコイビト?」
!
一同大爆笑。
悪ノリするジェミー。
「でも・・・今月、まだ来ないの・・・」。
バ、バカヤロー!6歳児の前で、くだらねーギャグかますんじゃねーよ!
お前には一生来ねーんだよっ!
「なにがこないの????」
疑問符いっぱいのミカちゃん。
「え?えーとー・・・・」。
ほらみろ!
「あなたにも、いつかわかるワ」。
ウィンクするジェミー。
なーに奇麗にまとめようとしてんだよっ!
下ネタのくせによっ!
が、ミカちゃん。
「来ないって、おきゃくさん?」
えっ!!!!
これがミカちゃんがわかって言っているのかどうか、僕たちは恐ろしくて聴くことができませんでした。
「そ、そーだね・・・。お客さん・・・来ないねぇ・・・どうしちゃったのかなぁ?」。
これにミカちゃん。
「わかった!夕子おねえちゃんとこに来てるんだっ!きっと!」
ええ!?
わ、わかって言ってんのか?
いや・・・いくら女の子がませてるからって・・・。
「そ、そうだねー。・・・夕子お姉ちゃんに聴いてみようかねー・・・」。
「夕子おねえちゃんとこも来てない?」
「い、いや。夕子おねえちゃんとこはちゃんと来てると思うな。ちゃんと・・毎月・・。で、でも今日は、ど〜かな〜・・・」
「というわけでケライ1号、お前、電話で聴いてくれ」。
聴けるかっ!馬鹿。


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5章-第28話へつづく







サイジョー! と、ケライたち
最高にいい仲間ですよ〜笑
でも受取を取るあたり、すごいです。
はいー。
なにしろこの物語のテーマは『友情とスケベ』ですから。
どっちも青春ですよねぇ。
ことわっときますが「ケライ」ではありませんので。念のため。
まだ来ないて?え?え?知らない方がいいのかなぁ?
藁に火薬を付けたモノは、『すぼ』という名の線香花火ですね。
本来は、その姿が主流だったとかなんとか…ゴニョゴニョ(うろ覚え)