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<おことわり>
5章[花火盗人]をお読みいただきましてありがとうございました。本当に長いおつきあいでございましたが、この話が、実質5章最終話です。区切れるところがないので、とても長く、しかも笑えるとこ、まったくありません。ご容赦くださいませ。
第31話 第32話 2話ワンセットです。
ぼくたちと駐在さんの700日戦争
5章[花火盗人]第31話 流星(2)
「さて、どうやってつれていくか・・・だが・・・」。
なにしろ犯人は6名。駐在さんは考え込んでいました。
「ママチャリ、丹下(ジェミーのことです)、お前ら後ろに乗れ。それから・・・」
鼻をひくひくさせる駐在さん。
そうです。この残り4名の誰かが、ウ○コ踏んでます。この中から誰かを乗せるというのは、文字通りの「ババ抜き」です。
<おことわり>
5章[花火盗人]をお読みいただきましてありがとうございました。本当に長いおつきあいでございましたが、この話が、実質5章最終話です。区切れるところがないので、とても長く、しかも笑えるとこ、まったくありません。ご容赦くださいませ。
第31話 第32話 2話ワンセットです。
ぼくたちと駐在さんの700日戦争
5章[花火盗人]第31話 流星(2)
「さて、どうやってつれていくか・・・だが・・・」。
なにしろ犯人は6名。駐在さんは考え込んでいました。
「ママチャリ、丹下(ジェミーのことです)、お前ら後ろに乗れ。それから・・・」
鼻をひくひくさせる駐在さん。
そうです。この残り4名の誰かが、ウ○コ踏んでます。この中から誰かを乗せるというのは、文字通りの「ババ抜き」です。
「あー、お前ら後ろついて来い」。
え?そんな護送ってあるのか?しかし、実に賢明な判断。ウ○コ踏んだヤツ、車に乗せたらたいへんです。
「逃げるなよ」。
「はい・・・」。
しぶしぶ返事する孝昭くんたち。
やがて窃盗犯を乗せたパトカーが走り出しました。
僕はパトカーに乗せられている間中、無言でずっと窓の外を見ていました。
不思議に、悲しくも、くやしくも、もちろんおかしくもありませんでした。
よくテレビのニュースで、犯人がつかまったシーンを映し「平然とした顔をしている」ことを批難しますが、違います。彼らは、あらゆる感情を心の奥底にしまって扉を閉じてしまうのです。なにも感じないように。なにも考えないように。
僕は黙って、ときおり父と母のことなどをぼんやりと思っていました。
途中、何台かの赤色灯をともした消防車とすれ違いました。
「ああ・・・あれは河川敷に行くんだな・・・」。などと呆然と思いながら、ずいぶんと大きな騒ぎを起こした事を、あらためて認識していました。
しかし、そこに反省などもなく、ただただ無なのです。ただ流れいく景色のひとつのように。
ジェミーも無言でした。途中、駐在さんがなにか声をかけたようにも思いましたが、2人とも返事はしませんでした。
しかし。
パトカーは警察本署ではなく、市立病院に到着しました。
これにはさすがに僕たちも驚きました。
「なんで、病院なんです?」
僕の質問に
「ここには西条がいるからな」。
駐在さんが答えました。
「あいつは関係ありません!」
「そいつは俺が決めることだ」。
やがてパトカーは、病院の入口前に停車しました。
そこには、西条くんをはじめ、ほぼ全員が揃っていました。彼らは「助かった残りの実行班メンバー」が報告に来るのを待っていたのです。
しかし、そこに駐在さんのパトカーが来たことで、かなり動揺しているようでした。
「降りろ」。
僕は手錠をつながれたまま、車を降りました。
さすがにこれには全員がたいへんなショックをうけたようでした。
西条くんが叫びました。
「おまわり!てめーーーーーーーーーーーーー!」
駐在さんにくってかかろうとする西条くんを、グレート井上くんと千葉くんが二人掛かりで止めます。
「こらえろ!西条!お前には後がないってこと忘れるな!あいつの気持ち考えろ!」
「ママチャリ」。
駐在さんが聴きました。
「あいつ、仲間か?」
「・・・・。いえ、知りませんね。・・・あんなヘンなやつ・・・」。
「そう・・・か。じゃぁ、関係ないんだな?」
「ええ」。
「うあああああああああああああああああああああ」
慟哭という言葉をご存知でしょうか?
この時の西条くんの叫びは、まさに慟哭でした。
井上くんと千葉くんが支える中、崩れ落ちる西条くん。
しかし、駐在さん。
「静かにしろ。西条。他人の迷惑も考えろ」。
それはかなり冷静な、しかし、どこかあたたかみのある言葉でした。
「お前たち。全員ついて来い。西条もだ」。
「どこに行くんですか?」
「上だ」。
それだけ言うと、駐在さんは僕たちを後ろにひきつれ、エレベーターホールへと向かいました。
気づいたように駐在さん。
「あ・・・・。孝昭たちは後から来いよ。お前ら、臭いから」。
「くそ〜」。
シャレになっていません。というかシャレか?
駐在さんが僕たちを集めたのは、屋上でした。こんな人数がこの時間に集まれるところは、この建物では他にありません。
屋上へたどり着くと、そこにはすでに病院の関係者が大勢集められていました。
証言をとる、ということでしょうか。看護婦さん、先生、事務局のかた。そのほとんどは面識のない人たちです。僕はその人数にめんくらいました。
そしてそこには看護婦さんにしがみついたミカちゃんの姿もありました。
初めて見る「うなだれたサイジョー」と手錠をはめられたケライ1号に、彼女はかなりショックを受けたようでした。
「サイジョー!」
「サイジョー!」
ミカちゃんは2度大きな声で呼びましたが、大好きなサイジョーの返事はありません。
するとミカちゃん。いきなり駐在さんの前まで走りよると、ズボンをわしづかみにし
「おまわりさん!サイジョー、いいやつなんだお!だからいぢめちゃだめなんだお!」
さかんにゆすります。
「サイジョーいいやつなんだお! だから・・ケライもいいやつなんだお!いじめたらゆるさないんだお!」
「すみません・・・」。
担当の看護婦さんがミカちゃんを駐在さんから引き離します。
ミカちゃんは今度は看護婦さんをつかまえて
「サイジョー、いいやつなんだお。だからいじめちゃダメなんだお!」
泣きながら必死に繰り返します。
これにはさすがの駐在さんも閉口したようでした。
「ミカちゃん」。
僕が声をかけました。
「サイジョーも僕も大丈夫だよ。ところでさ、花火は見えた?」
「うん!見えたお!ふたっつ!すっごいきれいだった!」
「そっか・・・。リョウくんは?」
「うん!いっしょに見た!バーンって!ドーンって!すごかった!」
僕はジェミーと顔を見合わせました。
言葉こそかわしませんでしたが、これでよかったんだと。
不思議な安堵感が漂いました。
2話1セットです。このまま第32話 流星(3)へどうぞ。
え?そんな護送ってあるのか?しかし、実に賢明な判断。ウ○コ踏んだヤツ、車に乗せたらたいへんです。
「逃げるなよ」。
「はい・・・」。
しぶしぶ返事する孝昭くんたち。
やがて窃盗犯を乗せたパトカーが走り出しました。
僕はパトカーに乗せられている間中、無言でずっと窓の外を見ていました。
不思議に、悲しくも、くやしくも、もちろんおかしくもありませんでした。
よくテレビのニュースで、犯人がつかまったシーンを映し「平然とした顔をしている」ことを批難しますが、違います。彼らは、あらゆる感情を心の奥底にしまって扉を閉じてしまうのです。なにも感じないように。なにも考えないように。
僕は黙って、ときおり父と母のことなどをぼんやりと思っていました。
途中、何台かの赤色灯をともした消防車とすれ違いました。
「ああ・・・あれは河川敷に行くんだな・・・」。などと呆然と思いながら、ずいぶんと大きな騒ぎを起こした事を、あらためて認識していました。
しかし、そこに反省などもなく、ただただ無なのです。ただ流れいく景色のひとつのように。
ジェミーも無言でした。途中、駐在さんがなにか声をかけたようにも思いましたが、2人とも返事はしませんでした。
しかし。
パトカーは警察本署ではなく、市立病院に到着しました。
これにはさすがに僕たちも驚きました。
「なんで、病院なんです?」
僕の質問に
「ここには西条がいるからな」。
駐在さんが答えました。
「あいつは関係ありません!」
「そいつは俺が決めることだ」。
やがてパトカーは、病院の入口前に停車しました。
そこには、西条くんをはじめ、ほぼ全員が揃っていました。彼らは「助かった残りの実行班メンバー」が報告に来るのを待っていたのです。
しかし、そこに駐在さんのパトカーが来たことで、かなり動揺しているようでした。
「降りろ」。
僕は手錠をつながれたまま、車を降りました。
さすがにこれには全員がたいへんなショックをうけたようでした。
西条くんが叫びました。
「おまわり!てめーーーーーーーーーーーーー!」
駐在さんにくってかかろうとする西条くんを、グレート井上くんと千葉くんが二人掛かりで止めます。
「こらえろ!西条!お前には後がないってこと忘れるな!あいつの気持ち考えろ!」
「ママチャリ」。
駐在さんが聴きました。
「あいつ、仲間か?」
「・・・・。いえ、知りませんね。・・・あんなヘンなやつ・・・」。
「そう・・・か。じゃぁ、関係ないんだな?」
「ええ」。
「うあああああああああああああああああああああ」
慟哭という言葉をご存知でしょうか?
この時の西条くんの叫びは、まさに慟哭でした。
井上くんと千葉くんが支える中、崩れ落ちる西条くん。
しかし、駐在さん。
「静かにしろ。西条。他人の迷惑も考えろ」。
それはかなり冷静な、しかし、どこかあたたかみのある言葉でした。
「お前たち。全員ついて来い。西条もだ」。
「どこに行くんですか?」
「上だ」。
それだけ言うと、駐在さんは僕たちを後ろにひきつれ、エレベーターホールへと向かいました。
気づいたように駐在さん。
「あ・・・・。孝昭たちは後から来いよ。お前ら、臭いから」。
「くそ〜」。
シャレになっていません。というかシャレか?
駐在さんが僕たちを集めたのは、屋上でした。こんな人数がこの時間に集まれるところは、この建物では他にありません。
屋上へたどり着くと、そこにはすでに病院の関係者が大勢集められていました。
証言をとる、ということでしょうか。看護婦さん、先生、事務局のかた。そのほとんどは面識のない人たちです。僕はその人数にめんくらいました。
そしてそこには看護婦さんにしがみついたミカちゃんの姿もありました。
初めて見る「うなだれたサイジョー」と手錠をはめられたケライ1号に、彼女はかなりショックを受けたようでした。
「サイジョー!」
「サイジョー!」
ミカちゃんは2度大きな声で呼びましたが、大好きなサイジョーの返事はありません。
するとミカちゃん。いきなり駐在さんの前まで走りよると、ズボンをわしづかみにし
「おまわりさん!サイジョー、いいやつなんだお!だからいぢめちゃだめなんだお!」
さかんにゆすります。
「サイジョーいいやつなんだお! だから・・ケライもいいやつなんだお!いじめたらゆるさないんだお!」
「すみません・・・」。
担当の看護婦さんがミカちゃんを駐在さんから引き離します。
ミカちゃんは今度は看護婦さんをつかまえて
「サイジョー、いいやつなんだお。だからいじめちゃダメなんだお!」
泣きながら必死に繰り返します。
これにはさすがの駐在さんも閉口したようでした。
「ミカちゃん」。
僕が声をかけました。
「サイジョーも僕も大丈夫だよ。ところでさ、花火は見えた?」
「うん!見えたお!ふたっつ!すっごいきれいだった!」
「そっか・・・。リョウくんは?」
「うん!いっしょに見た!バーンって!ドーンって!すごかった!」
僕はジェミーと顔を見合わせました。
言葉こそかわしませんでしたが、これでよかったんだと。
不思議な安堵感が漂いました。
2話1セットです。このまま第32話 流星(3)へどうぞ。







この話は何回見ても悲しくなるな…
でも一度見た時と二回目に見た時に違う見方が出きるのはいいですねo(^-^)o
てか一番?(笑)
どうしてもここにはコメ入れたくて戻って来ました。
西条くんが手錠を見る〜泣き崩れるとこで何度読んでも大泣きしてしまいます。みんなの西条くんへの思い、そしてミカちゃん姉弟への思い、自分が責任を取れないふがいなさ…他にも色々な感情が怒濤のように優しい西条くんの心の中に押し寄せたんでしょうね。
胸が痛くて熱くなる、忘れられないシーンです。
泣き崩れる西条くんも、仲間を守ろうとするママチャリ軍団も、ステキすぎる!
本当になんだか泣けてきました…
本当に泣けます。
ティッシュが話せません。
西条も、僕も、ジェミーもみんな最高です!!
これだけの名文なのに何でこんなコメント少ないの?
感動すぎる。。。。
>え さん 初登校〜
みなさん、最終話とこの次でコメントくださったからですね。
2話連続でしたので。
え〜DQNです私、ええ紛れも無い。
昔、自分達の頃の不良ってこんなんでしたよね、懐かしい…
不覚にも号泣してしまいました、ハイ。
駐在の義妹が襲われた時も泣いてしまいましたけども…
2ちゃんねるで偶然に見付けたblogとか片っ端から読んでますけど今のとこTOP1です、間違いなく。
昨日から読み始めたところなんですが止まりそうに無いですね、一気に読ませて頂きます。
38歳♂
なんとなくたどり着いたサイトでした。
とても感動してます。
オレにもこれくらいの思い出があればな〜
なんて、思いながら。。。。
すごくいい!!!
どんどん引き込まれてここまで来ました。
ここで泣きました。マジ泣きですだお。
なける(・_・、)
みんないいやつ(・_・、)
はぁ…
もう、ため息しかでません。泣けるのはもちろんのこと、仲間の優しさとかやりきれない気持ちとか…。サイジョーの慟哭が分かるような気がします。
仕事中に盗み読みしてて…
だぁ〜(T_T)ってなっちゃいました。
ティッュティッシュ…
(;;) (T;T) (;;)
ただただ感動
西条の涙に、
ミカちゃんの涙に……